百人一首のゆるい現代語訳を書いています。
今回はNo.66~70です。
ゆる訳 百人一首
66.もろともに あはれと思へ山桜 花よりほかに しる人もなし(前大僧正行尊)
【訳】山桜よ、私がおまえを大切に思うように、おまえも私を大切に思っておくれ。おまえの他に友だちはいないから。
67.春の夜の ゆめばかりなる手枕(たまくら)に かひなくたたむ 名こそをしけれ(周防内侍)
【訳】春の夜のはかない夢のような手枕のために、へんな噂が流れてしまっては惜しいです。
68.心にもあらで憂き世にながらへば 恋しかるべき夜半(よは)の月かな(三条院)
【訳】思い通りにならない憂鬱なこの世に生きながらえていたなら、きっといつか今夜の美しい月を、懐かしく思い出す日も来るでしょう。
69.あらしふく 三室(みむろ)の山のもみぢ葉は 竜田(たつた)の川の錦なりけり(能因法師)
【訳】山風がはげしく吹く三室山のもみじの葉は、竜田川の水面に落ちて、まるで錦のように美しく見えます。
70.さびしさに 宿をたちいでて眺むれば いづこもおなじ秋の夕ぐれ(良暹法師)
【訳】あまりの寂しさに家から出てあたりの景色を眺めてみると、どちらを見ても同じようにわびしい秋の夕暮を感じました。