あーりーです。
『菜根譚』のゆる~い現代語訳を書いています。
菜根譚には「前集」と「後集」がありますが、今回は「後集」の006から010の訳です。
後集006 水に映る月
静かな夜。
鐘の音を聞いて、夢の中の夢から目覚めます。
水に、月が映っています。
水に映る月は、本物の月ではなく、ただそこにあるように見えるだけ。
それと同じように、自分の体も仮の姿なのかも知れません。
後集007 鳥の声も虫の音も
鳥の声も、虫の音も、すべて真理を伝えるものです。
草も、花も、真理のあらわれです。
天から与えられた心を大切にし、澄みわたらせましょう。
出会うものすべてが真理だということに、気が付きましょう。
後集008 文字の無い本を読み、弦のない琴を弾く
人は、文字のある本を読むことはあっても、文字のない本は読めないと思っています。
人は、弦のある琴を弾くことはあっても、弦のない琴は弾けないと思っています。
文字や弦など、目に見えるものに頼って、目に見えないものに気が付かないのは、本当の意味で読書や音楽を楽しんでいるとはいえません。
後集009 音楽と読書
心に物欲がなければ、その心は秋空や晴れた海のようなものです。
かたわらに琴と本があれば、その場所はそのまま仙人の楽園のようなものです。
後集010 あっという間
仲間が集まってワイワイさわぐのは楽しいものです。
でも…
ふと気がつけば、ロウソクの火も残り少なくなって、香りも消えかけ、お茶も冷えています。
うかれて楽しく過ごした時間は、あっという間です。
そう気づいて、みんな残念な気持ちになります。
世の中の享楽や繁栄も、こんな感じです。
うかれて自分を見失わないようにしたいですね。