あーりーです。
中国の古典『菜根譚』のゆる~い現代語訳を書いています。
今回は「前集」の101から105までの訳です。
前集101 欲望は自分を焼き滅ぼす
金持ちの家に生まれた人は…
美食への欲望が猛火のようにすさまじいです。
権力への欲望も烈火のように激しいです。
多少は冷静な部分もあれば良いんですけどね。
その炎は、人を焼くのでなければ、かならず自分自身を焼いてしまうでしょう。
前集102 本気
人が本気になれば、霜を降らすことも、城をおとすことも、石を貫くこともできます。
一方で…
本気になれない人は、形だけで中身がありません。
そういう人たちは、誰かと接するとき、とても憎らしい顔をしています。
一人でいるときも、自分で自分の姿に嫌気がさしていることでしょう。
前集103 ありのままの姿
文章も究極にいたれば、特別な奇抜さがあるわけではなく、ただしっくりくる表現があるだけです。
人物も究極にいたれば、特別なすごさがあるわけではなく、ただありのままの姿があるだけです。
前集104 夢まぼろしのような現実世界
ぼくらは夢まぼろしのような現実世界を生きています。
富や名声はもちろん、この体でさえも、天からの借り物です。
一方で、ぼくらは真実の世界を生きています。
父母兄弟はもちろん、この世界のあらゆるものが一体です。
このことをよく理解できたなら、天下の大仕事を担うこともできるし、世間のしがらみから脱することもできるでしょう。
前集105 美食と享楽
おいしい食べ物は、腸にダメ―ジを与え、骨を腐らせます。
でも、食べ過ぎなければ体に害はありません。
娯楽や享楽は、深みにはまれば身を滅ぼし、徳を失います。
でも、適度に楽しむ分には、後悔しないでしょう。