あーりーです。
中国の古典『菜根譚』(さいこんたん)のゆる~い現代語訳を書いています。
菜根譚には「前集」と「後集」があります。
今回は「前集」の091から095までの訳です。
前集091 天に立ち向かい自分の道を貫く
天がぼくらに対して幸福を出し惜しみするなら、ぼくらは他人に対して親切を出し惜しみせずに接して見せましょう。
天がぼくらの肉体を苦しめるなら、ぼくらは精神を自由にして楽しんでやりましょう。
天がぼくらに悪い運勢を与えるといっても、そんなことは関係ありません。
ぼくらは自分の道を貫くだけです。
そうすれば天でさえ、ぼくらをどうこうすることはできないんです。
前集092 天に愛される人 きらわれる人
節度のある人は、やたらと幸福を求める心がなく、無心です。
天は、そういう人を幸福に導いてくれます。
へつらう人は、わざわいを避けることに必死です。
天は、そういう人の魂を奪います。
天はさすがですね。いろいろ見抜いていてスゴイです。
それに比べて、人間の智恵や技巧は何の役にも立ちません。
前集093 人生の後半を見れば、その人がわかる
スキャンダルの多かった女性も、晩年になって愛する人と誠実に添い遂げれば、過去のスキャンダルによって評価が下がることはありません。
それに対し…
貞節を守ってきた女性も、晩年になって男遊びをすれば、それまでの清いイメージは壊されてしまいます。
よく「人生の後半を見れば、その人がわかる」と言います。
これは本当に名言ですね。
前集094 平民と大臣
平民であっても、世の中に徳を広めて恵みをほどこせば、それはもう平民ではありません。
たまたま役職がないだけで、人物としては大臣だといえます。
大臣であっても、やたらと権力をむさぼり、強いものにへつらうようであれば、それはもう大臣ではありません。
たまたま地位があるだけで、人物としてはクズです。
前集095 先祖と子孫
先祖から伝わる恵みとは何か?
いま自分自身が享受しているものが、まさにそれです。
この恵みは、積み重ねるのがとても難しいものです。
子孫に伝えるべき恵みとは何か?
いま自分自身が残そうとしているものが、まさにそれです。
この恵みは、気を抜くとすぐに壊れてしまいます。