あーりーです。
いや~。おもしろかった!
いい本を読みました。
きのう本屋さんの中を散歩して、5分で驚く! どんでん返しの物語 (宝島社文庫)を買いました。
いま、読み終えました。
良かった。すごく良かったです。
『このミステリーがすごい!』編集部・編。
25本の短編小説が収録された、渾身の短編集です。
どんでん返し
どの作品も最後に大どんでん返しがあります。
えっ!そう来たか!?っていう衝撃の展開。意外なラストです。
ずっしりと心に残る
ひと作品ごと、心に残ります。
ポケットジョークやショートショート的な軽いノリの物語ではなく(それはそれで好きですが)、ひと作品ごとに文庫本を一冊読み終えたような、ずっしりとした読後感があります。
感動と戦慄
一つひとつの作品を読み終えたときに感じるのは、あたたかい涙だったり、切ない感動だったり、ゾッとするような戦慄だったり。
濃いです。これ一冊で何本もの映画を見たような気分です。
どんな作品が載ってるの?
25作品のテイストは色とりどりです。共通しているのは、どの作品も最後に大どんでん返しがあることです。
いくつかご紹介します。
でもネタバレはしません。
だから、とってももどかしい紹介のしかたになりますがご容赦を。
『仙境の晩餐』
美食家の社長が究極のグルメを求めて山奥のレストランに向かう話です。
最後の最後にゾッとするオチが…。
『アーティフィシャル・ロマンス』
高校生のアキラが人造人間の無料レンタルキャンペーンで、恋人をレンタルする話です。
まさかの結末。読み返すと伏線もちゃんと貼られていて。これは衝撃でした。結末に気づいたときは、ドキッとして胸が痛かった…。
『記念日』
毎年の結婚記念日の思い出を、夫の視点であたたかくつづった物語。
が、
最後に大どんでん返しでブラックなタネ明かしが。
えー!そうだったの!?っていう。そう言われて読み返してみると、確かにそうだ、って。
驚くと同時に切なくなります。
『幸福な食卓』
これは良かった。とても良かった。素敵な作品です。
みごとに(いい意味で)だまされました。想像もしていなかった真相。
最後にすべてが明らかになったとき、涙があふれてきました。ちょっと切ないけど、あたたかくて、やさしい気持ちになれる小説でした。
『かわいそうなうさぎ』
保育園児の男の子が、家族にかくれてこっそりと「かわいそうなうさぎ」を飼う話です。
これはブラックですね~。
まさかの結末に、人間の心の闇を見ました。
『ある人気作家の憂鬱』
ある人気小説家が脅迫をうける話です。
脅迫をしていた者の正体が明らかになるところで、まず1つめの衝撃が。
人気作家の正体が明らかになるところで、2つめの衝撃が。
立て続けのどんでん返しにビックリしまくりでした。
『柿』
ある老夫婦の話です。
脳の病いのため、むかしの思い出しか語らなくなった妻と、残り少ない余命を妻の気持ちによりそって生きる夫。
これも最後の最後に、先入観がガラッとくつがえされる大どんでん返しがあります。そしてしみじみとした感動。
ほかにもいい作品がいっぱい
いま挙げた作品のほかにも、珠玉の短編がいっぱいです。なにせ25作品ですから。
感想
25作品すべてを読み終えて感じるのは…
人の心には光も闇もあるけれど、いまを大切にしながら、大切な人を大切にして生きよう。っていうことです。
いい本に出会えました。