『五輪書』という本があります。
剣豪・宮本武蔵が書き残した兵法書です。
『五輪書』は海外でも人気です。
海外ではビジネス書としても愛読されているようです。
ちなみに…
ぼくは別のブログで『五輪書』の現代語訳を書いていますので、もし気が向いたらフラっとご覧いただけると嬉しいです。
それはさておき。
今回ご紹介する本は『対訳・五輪書』。
『五輪書』を英訳したものです。
見てください。この堂々たるカバー写真。武蔵の姿が描かれています。
二刀流の武蔵らしく、2本の刀をにぎっていますね。
原文、現代語訳、英訳
この本のすごいところは、
- 原文
- 現代語訳
- 英文
のすべてが載っていることです。
ほかの本は現代語訳と英文だけ載っていて、原文は載っていなかったりします。
すべてが同時に読める
しかも、この本は…
原文、現代語訳、英訳がおなじ見開きページに載っているので、全部が同時に目に入るんです。
原文、現代語訳、英訳を読み比べて解読しようとしたときに、あちこちページをめくらなくていいんです。行ったり来たりしなくていいんです。
これは楽です。すごく読みやすい。
論理的な文章
『五輪書』の文章は、曖昧なところが少なく論理的だといわれています。
『五輪書』が書かれたのは江戸時代の初期です。
当時にしてはあまりにも論理的な文章で書かれているので、実はべつの時代に書かれたものなんじゃないか…って言われるくらい異質な完成度をもった書物だと聞いたことがあります。
英訳するとさらに論理的
もともと論理的な武蔵の文章。
これが英訳されると、さらに論理的になる印象です。
英文にすることで曖昧なところがなくなって、カチッと論理的に腑に落ちる。
そんな感じです。
戦士の思想が本として残るのはめずらしい
『五輪書』のすごいところは、一戦士の思想が書物として残っているところです。
歴史上の人物の思想が書物として残ることは、よくあります。
でもそれは、作家や学者や政治家が多いです。
一戦士の思想が書物として残ることって、ほとんど無いんじゃないでしょうか。
だからぼくらは、むかしの学者が何を考えていたのか知ることはできても、むかしの戦士が何を考えていたのかを知る機会は、なかなか無い。
『五輪書』にはそれが書かれている
『五輪書』を読むと、むかしの戦士(しかも一流の戦士)が何を考えていたのかが書かれています。
どんな考えで自分の道に取り組んでいたのかが、わかるんです。
そういう意味でも、『五輪書』はとっても貴重で、深い興味の対象になる本だと思うんです。