あーりーです。
たまにブログで読書の感想を書いています。
題材となる本が目の前にあっても、なかなか感想が書けないこともあります。
そこで前回は、プロの書評家から、本の感想や書評を書くコツを学ぼうと試みました。
その記事がこちらです。
今回は第2弾。
前回とは別の書評を解剖して、その構造を学んでみたいと思います。
プロの書評の構造がわかれば、ぼくらが本の感想や書評を書くときの役に立つんじゃないかと思うんです。
有名な書評家
今回も、前回にひきつづき、有名なプロの書評家・山村修さんの書評から勉強させていただこうと思います。
書評のタイトルは…
「歴史への抑えに抑えた怒り」です。
これはエルンスト・H・ゴンブリッチの『若い読者のための世界史』に対する書評です。
ちなみにこの書評は『“狐”が選んだ入門書 (ちくま新書)』に掲載されています。
構造
では…
この書評の構造を見てみます。
つぎのとおりです。
1.著者の紹介
まず著者のエルンスト・H・ゴンブリッチがどんな人物かが書かれています。
美術史家です。
2.本の説明
どんな本か、一言でさらっと説明があります。
こんな感じで↓
『若い読者のための世界史』は、太古から現代までの世界通史を、イルゼ(エリザベートの愛称)という少女に語りかけるかたちで書かれています。
ここでどんな本かコンパクトに説明したあと、以下でくわしく掘り下げていきます。
3.本の特徴とそれを裏付ける引用
ここでは、つぎの2点が書かれています。
- 本の特徴
- それを証明するための引用
です。
山村修さんは『若い読者のための世界史』の特徴として、
- 「力強い線とあざやかな色彩とで絵をかいてみせるかのよう」な描写
- 「たえず年代を明記するよう心がけられている」点
などを挙げています。
そして、これらのことがよく表れている部分を引用しているんです。
4.さらに掘り下げる
山村さんは、さらに深く読み込みます。
上で挙げられた特徴は、いわば第一段階の表面的な特徴だとわかってきます。
さらに深く読むことで、この本の真髄ともいうべき特徴が見えてきます。
それが「抑えに抑えた怒り」です。
山村さんは本書から「抑えに抑えた怒り」を感じると言うんです。
それが感じられる部分も引用されています。
5.まとめ
最後に、この本はじつは○○な本だ、というまとめがあります。
本書の場合は、4で触れた「怒り」の正体に迫ります。
「怒り」とは、じつは「たくましい知的胆力」だった、というオチです。
以上が、山村さんの書評の構造をぼくなりに捉えてみた結果です。
感じたこと&それを裏付ける引用、という組み合わせが基本のようですね。
うーむ。
あと難しいのは、まとめ方、オチのつけ方でしょうか。
これも、何か基本的な型のようなものを見つけられたらいいなぁ、と思います。