100種類ちかい雲が載っている『雲のカタログ 空がわかる全種分類図鑑』です。
空や雲を見上げると、なんとなく子どもの頃の夏や『風の谷のナウシカ』や『天空の城ラピュタ』のことを思い出します。
そんなこともあって、空に浮かぶ雲の意味がわからなくても、空は空というだけでそれなりに楽しめます。
でも雲の意味がわかれば、空の表情を感じることができて、もっと楽しめそうです。
この本はオールカラーで、Amazonの内容紹介の言葉を借りると「雲の名前を知ることで、空で何がおきているかわかるようになる画期的な本」です。
空の表情
空の表情を読んだり、空で何が起きているのかわかる。そう聞くと、三国志の孔明を思い出します。実際の孔明がそうだったのかは別にして、物語としての三国志の孔明には、自然現象を読んで役立てる知識がありました。
空を見上げて、空を読む。
この本を読めば、自分が孔明になったような気分が味わえますね。
もっとも高い雲
たとえば巻雲(けんうん)という雲が載っています。ふだんよく見かける雲です。これは雲の中で「もっとも上層」にある雲だそうです。これを読んだだけで、へぇ~!と新鮮なおどろきを感じます。
こんど巻雲を見かけたときに「あれは雲の中でもっとも上層にある雲なんだ」と思える。それが嬉しいんです。
キン肉マンの超人一人ひとりの特徴を読んだり、ガンダムのモビルスーツの解説を読んだりするのと同じように、雲ひとつ一つの特徴を知って、それに対して「へぇ~! そうなんだ!」と新鮮におどろける。そういう感覚が好きです。雲のカタログにはそういう魅力があります。
雲は空からのクイズ
空を見て雲を読んだり、雲の意味を知るっていうのは、空からのクイズに答えるようなものです。空を見てクイズの答えがひらめくと脳がピリッと刺激されて、ちょっとした知的な満足感が得られます。
雲の意味がわかると、自然を読み解く力を手に入れたような錯覚が味わえるんです。気持ちのいい本です。