角川ソフィア文庫ビギナーズ・クラシックスの『古事記』の感想です。角川ソフィア文庫ビギナーズ・クラシックスのシリーズは、名著をわかりやすく書いてくれているので大好きです。
『古事記』のわかりやすい現代語訳の本です。原文と日本語訳のほか、各所に解説や地図、家系図、イラスト、写真などもあって飽きません。
『古事記』は歴史の本
そもそも『古事記』ってどんな本かというと…
神々の時代から推古天皇の時代までを書いた本で「わが国の歴史を説き起こした最古の書」です。
内容は、天地創造の話、イザナキとイザナミの話、アマテラスの話、ヤマタノオロチの話、因幡の白ウサギ、神武天皇の話、ヤマトタケルの話、仁徳天皇の話など。
どこかでなんとなく耳にしたことがある話がけっこう出てきます。
ヤマトタケルの冒険が由来の地名
ぼくが一番興味深く読んだのは、ヤマトタケルの話です。
ヤマトタケルの冒険が由来になっていろんな地名ができあがったのがおもしろかったです。
焼津
たとえば、焼津(やいず)という地名は、遺体を火で焼き払ったことが由来だそうです。
岐阜県の当芸(たぎ)
岐阜県の当芸(たぎ)という地名は、この地でヤマトタケルの足が「たぎたぎしく」なったことが由来だそうです。たぎたぎしいとは、腫れて曲がるという意味です。歩き疲れたんですね。
杖衝坂(つえつきざか)
ヤマトタケルはがんばって歩いたものの、少し進んだところであまりにも疲れて、とうとう杖をつくようになりました。そこで名付けられたのが杖衝坂(つえつきざか)という地名です。
三重(みえ)
ヤマトタケルはさらに歩きました。現在の四日市市に到着したときには、足が「三重に曲げた餅のように」腫れてしまったといいます。それで、その地を三重と名付けたそうです。
と、こんなふうに地名の由来がわかっておもしろかったです。
ヤマトタケルの冒険以外にも、上にあげたようにヤマタノオロチとかアマテラスの話とか、いろいろ載っています。神話から歴史へ。ロマンですね。