日本史のナンバー2をあつめた『大判ビジュアル図解 大迫力! 写真と絵でわかる 日本史人物ナンバー2列伝』です。
人物伝とか人物事典は、ほかとの差別化のためにいろいろな特徴を打ち出しています。
たとえば、このブログで過去に紹介したものでいうと…
『マンガ 世界の偉人伝 未来を作った10人』は10人という厳選された少人数をあつかうことで勝負しています。逆に『まんが戦国1000人』は1,000人という膨大な人数が特徴的です。『三国志 群雄データファイル』や『三国志英雄列伝』のようにジャンルをしぼったものもあります。
この本は「ナンバー2」というくくりで人物を集めています。いろいろなくくりがあるものですね。
豊臣秀長、島左近、小早川隆景、直家兼続、土方歳三など、ナンバー2としておなじみのレギュラーメンバーのほか、足利尊氏や徳川家康など、意外な人物の名前もたくさんあります。
足利尊氏と徳川家康は、どちらも幕府をひらいた人物です。幕府の初代将軍です。ナンバー2というよりはナンバー1のイメージが強い人物ですよね。それが載っています。
彼らにもナンバー2だった時期があるので、そこに注目しているんですね。この本のおもしろいところは、生没年のほかに「ナンバー2の期間」という項目があることです。そこに何歳から何歳までナンバー2だったかが書かれています。さらに、そのときのナンバー1が誰だったかも書かれています。
たとえば聖徳太子。
彼の「ナンバー2の期間」は20歳から49歳と書かれています。人生のほとんどですね。じゃあ、ナンバー1は誰かというと、推古天皇です。聖徳太子は推古天皇の摂政でしたから。
たしかに天皇陛下が出てくると、あらゆる人物がナンバー2になりますね。でも待ってください、この本には天皇の名前もあります。平安時代のナンバー2のところに持統天皇の名前が。
「天皇なのにナンバー2? なぜ?」と思って、じゃあナンバー1は誰だったのか見てみると、そこには天武天皇の名前が。ふむふむ。誰もが時期や立場によって、誰かのナンバー2として活躍したことがある。この本の趣旨が徹底されています。
「ナンバー2」というくくりに真正面から取り組んだ本ですね。