童門冬二さんの著書『名将に学ぶ人間学―この「人間力」を盗んでみよ』の感想です。
童門冬二さんは、現代のぼくらにも役立ちそうな人間関係のエッセンスを、戦国武将のエピソードからすくあげるのがとても上手ですよね。
しかもエピソードを説明するとき、登場人物たちの会話を織り交ぜながら、わかりやすく表現してくれます。
だから小説を読むようにスーッと頭に入ってきます。歴史の本と聞いただけで「ちょっととっつきにくそうだな」と感じる人にも抵抗なく読んでもらえると思います。
書かれている内容は、「風見鶏」を積極的に評価しよう、気疲れする部下は切ってしまえ、「昔のよさ」でいまの時代は乗り切れない、不平分子を味方につける唯一の方法、悪評をいちいち雑巾で拭くな…等、泥くさくて骨太です。