あーりーです。
小説「機動戦士ガンダム」の見どころをまとめています。
第1巻の最後の章は、パート8「はじまり」です。
最後に「はじまり」なんです。
この章の舞台もパート7「ララァ」に引きつづき、テキサス・コロニーです。
では、ぼくなりに感じた見どころを書いていきます。
ネタバレもあるので読みたくない方はこれ以上スクロールしないようにお願いいたします。
弱気なシャア
前章の見どころとしてアムロの成長を書きました。
アムロがシャアを呑んでしまっているんです。
この章の見どころは、その呑まれているシャアの側からの視点です。
シャアは「恐らく右手の針葉樹林の中から白い奴は飛び出してこよう。」と予想します。
白い奴とは、もちろんアムロの操縦するガンダムのことです。
「しかし、それを撃破できる自信はなかった。」とシャアの心境がつづられています。
めずらしく弱気なシャア。
でもそれは、弱気とはちょっと違うのかも知れません。
冷静なんです。
シャア「逃げるのもあり」
シャアは逃げることをいといません。
そのへんのシャアの考えを引用しますね。
「シャアは冷静なのである。自分の実力を知っていた。敵を呑む時は呑むのだが、そうでない時は、極めて用心深かった。」
さらに…
「逃げる事に自尊心を傷つけられる事はないのだ。逃げた相手でも、将来、それを殲滅する方法を講じる手だてを考えつく自信があったからだ。」と書かれています。
しかし…
逃げることすらできない
敵が強いなら、逃げる。
それがシャアの考え方です。
まともです。
でも今回はその考えが通用しません。
「しかし、今日の相手は違った。自分を逃しはしないだろうと判っていた。白い奴は強敵になっていたのだ。」
シャアはアムロのガンダムを前に、逃げることすらできなくなっていたんです。
戦士として許されざる失策
シャアはアムロとの戦いでミスを犯しました。
「自分がニュータイプでないのに、ニュータイプに挑んだ」ことです。
アムロに挑んだこと自体が失策だったんです。
「この失策は戦士として許されざるミスである。勝機の万全たるを期して初めて戦いは勝つのであって、気力とか偶然による勝利などは真の戦闘者が行うべきことではない」
この考え方は『孫子の兵法』に通じますね。
軍形編の「名将はイチかバチかで戦わず、勝つことがハッキリしてから戦いはじめる」という内容です。
ゲルググじゃなくてまだザク
ちなみに、この時点でシャアはまだザクに乗っています。
アニメでは、テキサス・コロニーの場面で、シャアはすでにゲルググに乗っていますよね。
でも小説ではザクなんです。
ザクでよくがんばっています。
ペガサスvsザンジバル
連邦軍のペガサス(ホワイトベース)と敵艦ザンジバルがテキサス・コロニーの中で対戦します。
コロニーの内部での艦同士の戦いも見どころの一つです。
セイラのバギーを奪うシャア
アムロとの戦いに敗れたシャアは、不時着したザクから脱出します。
そこでセイラと出会います。
セイラはペガサス(ホワイトベース)からバギーを運転して、はるばるシャアに会いに来たんです。
ここでシャアが驚きの行動に出ます。
兄妹の会話もそこそこに、シャアはセイラが乗ってきたバギーに飛び乗ります。
そして「コロニーから脱出しろ!」と叫び、セイラをその場に残して走り去ります。
おいおい!
バギーを奪われたらセイラが脱出できないじゃないか!
という読者のツッコミを背中に受け、シャアは去って行きます。
「シャアは砂塵の中に消えた。」
って、シュールです。
取り残されたセイラ
セイラさんは、シャアにバギーを奪われて、帰る手段がなくなってしまいました。
でも大丈夫。
ペガサス(ホワイトベース)がきっと迎えに来てくれるはず。
しかし…
ペガサス(ホワイトベース)は撃沈されました。
がーん。
ララァの死
1巻のクライマックスはララァの死です。
ララァの命を奪うことになってしまうのは、アニメとおなじくアムロです。
アニメでは、ララァの死は宇宙空間でしたよね。
小説では、テキサス・コロニーの中です。
一年戦争は終わらない
1巻の最後の一文はこうです。
「時、宇宙世紀〇〇八〇年。戦争は終わってはいない。」
アニメでは、宇宙世紀79年12月31日にア・バオア・クーの戦いがあり…
翌日、宇宙世紀80年1月1日に戦争が終結します。
アニメでは見られなかった未知のストーリーへの期待が高まったところで、1巻は終了します。
以上、小説「機動戦士ガンダム」第1巻のパート8「はじまり」の見どころでした。
面白いポイントが満載でした。