あーりーです。
歴史小説『尻啖え孫市』と『信長公記』を読み比べて、ふむふむ『尻啖え孫市』のこの場面は『信長公記』のこの部分のことなんだなぁスゴイスゴイ、と感心するのが最近の趣味です。
歴史小説『尻啖え孫市』は、鉄砲がじょうずな戦国武将・雑賀孫市が織田信長と戦うはなしです。(←ざっくり)
『信長公記』は織田信長のことが詳しく書かれた第一級の史料です。
『尻啖え孫市』を読んでいると、孫市が織田信長の陣営にするすると忍び込んで、いくさのドサクサに紛れて信長を狙撃するシーンがありました。信長は右足の太ももに弾を受けて倒れます。
信長が撃たれた!
これは小説の創作か。それとも事実か。事実だとすれば、こんな重大な出来事、『信長公記』に書いていないはずがありません。
探しました。
天正4年(1576年)5月にそれらしき記述を見つけました。
引用します。
「信長は先陣の足軽勢にうち混じって駆け廻り、ここかしこで指揮をしている間に、足に銃弾が当たって軽傷を負った。」
きっとこの場面のことだと思います。
『信長公記』には、誰が撃ったとは書かれていません。司馬遼太郎はそれを雑賀孫市が撃ったことにしたんですね。おかげでグイグイ引き込まれました。(それとも何か別の史料では雑賀孫市が撃ったと書かれているのかな)
いずれにしても、歴史小説の場面を『信長公記』の中に見つけることができて、きょうも満足なのでした。おしまい。