歴史小説を読んでいると、考えが広がったり、衝撃をうけたり、脳みそに心地よい刺激を感じるシーンによく出会います。
でも悲しいことに、しばらくすると忘れてしまうんです。だから、いつでも思い出せるようにブログに書きとめておきます。
一冊読み終わってから感想を書くのもいいんですが、それだと足りないんです。読むページ読むページに感動があるなら、ページごとに感想を書きとめておきたいんです。
未来のぼくは、それを読んで「ああ、そうだった! このページのこの言葉に、こんな感想を抱いたんだっけ」と思い出すんです。
せっかく読んでも、忘れてしまったらもったいない。だから、小説を読んで何かを感じた証をブログに刻んでおきたいんです。
というわけで…
司馬遼太郎の歴史小説『尻啖え孫市』の読書メモです。
『尻啖え孫市』は、戦国時代に活躍した鉄砲の名手・雑賀孫市が主人公の歴史小説です。
鉄砲の名人で女好きという、シティーハンター冴羽りょうのようなキャラ設定です。実際に女好きだったかとうかはわかりませんが、鉄砲の名人だったのは事実のようです。
雑賀衆という最強の鉄砲部隊をひきいていました。
その雑賀孫市のセリフです。
引用します。↓
「わしは領土の野心もなく天下をねらうつもりもない。ただわしの一生は、いったん観音の尊位を与えたおなごのためにつくすだけのことじゃ」
ここでいう「観音の尊位を与えたおなご」とは、孫市が心から尊敬して敬愛できる女性、というような意味です。
孫市はさらにつづけます。
「そのおなごが困っておれば雑賀三千人を率い、命も惜しまずに駆けつける。生涯、それだけが願望だ」
なんか、カッコいいです。
さらに別のシーンには、こうあります。
引用↓
孫市にすれば信長の天下への野望などはどうでもよい。
(天下は信長にまかせるわ)
おれの一生は女。ちゃんと目標がきまっている。
天下をまっすぐに狙う信長もカッコいいけど、「天下はどうでもいい、おれの一生は女」と言い切る孫市もカッコいいです。
だからといって、「よし! ぼくの一生も女だ!」という話ではありません(笑)
自分なりの価値観をバチッとつらぬく人はカッコいい、っていう話です。
以上、読書のメモでした。