大好きな『銀河英雄伝説』という小説があります。ストーリーやキャラクターが魅力いっぱいなのはもちろん、小説の文書が味わい深いんです。
しゃべりの上手な男
小説に、ヨブ・トリューニヒトという男が登場します。
しゃべりの上手な政治家です。
ヨブ・トリューニヒトを説明するとき、『銀河英雄伝説』では、
彼はしゃべりが上手だ。
なんていうベタな書き方はしません。
こう書きます。↓
彼を知る者の半数は雄弁家とたたえ、残る半数は詭弁家として忌み嫌う。
ヨブ・トリューニヒトは弁が立つ、ってことだけじゃなく、まわりからどう思われているかまでわかりますね。キャラクターに立体感が出てきます。
こんなふうに、『銀河英雄伝説』の一文一文を味わいながら読むのが楽しくて気持ちいいです。