小説『銀河英雄伝説』は、壮大で詩情ゆたかな物語です。
うまいこと書くなぁ~っていう文章表現がいっぱいあります。
前回は、主人公ラインハルトの美しく鋭い瞳を表現する文章をピックアップしました。
今回は…。
夕焼けの表現
夕焼けをどんな文章で表現するかっていう話です。
ふつうなら、
空が夕焼けに染まる。
と書くところです。
『銀河英雄伝説』では、こんなふうに書いています。
空には黄昏が音もなく翼を拡げ…
詩的ですね~。
『銀河英雄伝説』には、こういう詩的な表現がたくさんあります。
それが読んでいて心地いいんです。
夜の表現
つぎに…
夜であることの表現です。
『銀河英雄伝説』では、
夜がやってきた。
なんていうベタな表現はしません。
こんなふうに書きます。
惑星オーディンの西半球を
夜のやわらかな掌(てのひら)が包み込んでいる。
おぉ~。詩的です!
しかも宇宙からの視点。スケールがでかい。
これですね~。『銀河英雄伝説』の文章。これです。大好きです。
⇒第4回へつづく。