名作小説『銀河英雄伝説』の、この文章うまいな~っていう表現をピックアップして楽しんでいます。
前回は、敵の強さを表現する文章でした。
今回は、主人公の瞳のするどさです。
主人公は美貌の青年
『銀河英雄伝説』の主人公は2人います。
その一人が、ラインハルトという美貌の青年です。
青年は、「他に類を見ないほどの美貌」を持ち、古代の名工による完璧な彫刻を思わせる容姿をしています。
美しく鋭い瞳
その青年の瞳は、美しくて鋭いんです。
でも『銀河英雄伝説』では…
その青年の瞳は、美しくて鋭い。
なんていうベタな書き方はしません。
こんなふうに書いてあります。
蒼氷色(アイスブルー)の瞳は鋭く研磨された剣のような光を放っていた。
それとも、凍てついた星の輝き、と呼ぶべきだろうか。
と。
さらに。
これだけじゃなく、第三者の視点で説得力を持たせます。
こんなふうに。
宮廷の女たちは「美しい野心家の瞳」と噂し、男たちは「危険な野心家の目」と表現している。
瞳のうつくしさ、鋭さだけじゃなく、周囲との関係も見えてきますよね。
対(つい)で書く
あと…
「宮廷の女たち」と「男たち」を対にして書いているのが、読んでて気持ちイイですね。
前回は、「前面の有能な敵」と「後背の無能な味方」を対にして書いていました。
こうやって対にして書かれると、なんとなく、うまい感が増しますよね。
⇒第3回へつづく。