銀河英雄伝説のうまい文章を味わう 第2回

名作小説『銀河英雄伝説』の、この文章うまいな~っていう表現をピックアップして楽しんでいます。

前回は、敵の強さを表現する文章でした。

今回は、主人公の瞳のするどさです。

主人公は美貌の青年

『銀河英雄伝説』の主人公は2人います。

その一人が、ラインハルトという美貌の青年です。

青年は、「他に類を見ないほどの美貌」を持ち、古代の名工による完璧な彫刻を思わせる容姿をしています。

美しく鋭い瞳

その青年の瞳は、美しくて鋭いんです。

でも『銀河英雄伝説』では…

 

その青年の瞳は、美しくて鋭い。

 

なんていうベタな書き方はしません。

こんなふうに書いてあります。

 

蒼氷色(アイスブルー)の瞳は鋭く研磨された剣のような光を放っていた。

それとも、凍てついた星の輝き、と呼ぶべきだろうか。

 

と。

さらに。

これだけじゃなく、第三者の視点で説得力を持たせます。

こんなふうに。

 

宮廷の女たちは「美しい野心家の瞳」と噂し、男たちは「危険な野心家の目」と表現している。

 

瞳のうつくしさ、鋭さだけじゃなく、周囲との関係も見えてきますよね。

対(つい)で書く

あと…

「宮廷の女たち」と「男たち」を対にして書いているのが、読んでて気持ちイイですね。

前回もそうでしたね

前回は、「前面の有能な敵」と「後背の無能な味方」を対にして書いていました。

こうやって対にして書かれると、なんとなく、うまい感が増しますよね。

第3回へつづく

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