小説『銀河英雄伝説』をひさしぶりに、ひさしぶりに、読み返してみました。
『銀河英雄伝説』の楽しみ方はいろいろあります。
壮大なストーリーを楽しんだり、個性豊かな登場人物を楽しんだり。
そして…
小説ならではの楽しみ方として、うまい文章を楽しむ、っていうのもあります。
うまい文章を楽しむ
『銀河英雄伝説』は、うまい文章の宝庫です。
名言、比喩、擬人化、ウィット、皮肉。その他にも、なんとなくうまいこと言うな~っていう文章がいっぱいあって、ぼくはそういうところがすごく好きなんです。
美しい言い回しもあれば、ほのかに毒気のある表現もあって、いろんな味の文書が楽しめます。
敵が強くて苦労した
たとえば…
『銀河英雄伝説』第1巻、黎明編。
序章に、ある提督が出てきます。
提督とは、軍隊を指揮するえらい人ですね。
提督は「敵がとても強くて、苦労したー」という意味のことを言います。
でも『銀河英雄伝説』では、「敵がとても強くて、苦労したー」なんてありきたりな表現はしません。
提督は、こんなふうに言います。
「私は前面の有能な敵、後背の無能な味方、この両者と同時に闘わなくてはならなかった」
なんか、なんとなく、うまいですよね。(←感想があたま悪そう)
さらにイイのが、そのつづき。
提督は、言います。
「しかも私自身ですら全面的には当てにならなかった」
って。
自虐でネタで落とします。
敵に翻弄されている姿が想像できます。
と、こんなふうに…
『銀河英雄伝説』には、なんとなくうまいこと言うな~っていう表現がいっぱいあります。
そういうの、すごく好きなんです。