史上初の戦国武将といわれる北条早雲が主人公の歴史小説です。
戦国時代。
と呼ばれる時代がありました。
当時の人々が「ハイ、今日から戦国時代!」と意識していたわけじゃありません。
いつの間にか戦国時代
当時の人々からすると…
「いつの間にかそういう時代になっていた」
っていう感覚なんじゃないでしょうか。
いつの間にか戦国武将
同じように、史上初の戦国武将といわれる北条早雲も…
「ハイ、おれ今日から戦国武将!」と意識していたわけじゃないと思うんです。
でも、ぼくらは北条早雲が戦国武将になることを知っています。
知りながら、小説を読んでいます。
だから…
どう覚醒するか楽しみ
馬の鞍づくりに明け暮れ、「毒にも薬にもならぬ人間」とされながら、ひっそり生涯を終えることを望んでいた男が、どんなふうに戦国武将として覚醒していくのか、それが楽しみなんです。
戦国時代のはじまり
室町時代。
有力者のもめ事がありました。
応仁の乱です。
それがキッカケで世の中が乱れに乱れ、戦国時代がはじまりました。
戦国時代はそれから100年くらいつづき、たくさんの有名な戦国武将がつぎつぎと生まれました。
応仁の乱
北条早雲は、応仁の乱で荒れる京都を見ています。
戦国時代を、はじめから見ているんです。
武田信玄も織田信長も豊臣秀吉も徳川家康も、生まれたころはすでに戦国時代 でした。
早雲は戦国時代がまだ始まっていない頃に生まれて、戦国時代のはじまりを見て、自分自身が史上最初の戦国武将になりました。
戦国武将としての目覚め
鞍をつくる職人だった北条早雲が、ひょんなこと(?)から時代の激動に身を投じて、ゼロから身を起こします。
まずひとつ拠点となる城を手に入れて…
そのあと、あの小田原城を攻略します。
北条氏の基盤をきずく
小田原城っていうのは、なかなか攻略できないことで有名な城です。
それを攻略します。
そして…
戦国時代の関東を支配する「北条氏」の基盤を築きます。
下剋上
戦国時代の魅力は、下剋上であったり、成り上がりであったり、刻々と変わる状況に真剣に向き合っていく姿であったりします。
北条早雲はまさにそういう人物です。
しっとり
小説の雰囲気は、しっとりしています。落ち着いて読む大人の小説といいますか。
音楽でたとえると、クラシックのような感触です。
読んだ当時20代だったぼくには、それが物足りなくもありました。
あの頃のぼくは、『新史太閤記』のようなポップミュージックを求めていたんです。
しずかな魅力
でも言い換えると、この小説には静かな魅力があります。
しかもそれが司馬遼太郎さんの筆によるものであれば、安心して身を任せられます。
深い歴史の霧の中に、白くしずかに沈んでいくような…
そんな味わいです。