先日、ヘッセの詩集について書きました。
いま読み返したい外国の詩「第1位」がヘッセ詩集、という記事です。
ヘッセ詩集
あの記事を書いたときは、もう手元にヘッセ詩集はないと思っていたんです。
20年前の引っ越しのときに、どさくさにまぎれて古本屋さんに売ってしまったのかな…
と思っていました。
なつかしいカバーデザイン
でも、最近発見しました。
あったんです。ヘッセ詩集。
これです。じゃーん。
なつかしい。
カバーデザインが、むかしのものです。味わいがありますよね。
あたらしいカバーデザイン
ちなみに。
2016年3月現在のカバーデザインは…
こちらです。↓
こっちはこっちで、味わいがあります。
この詩集を待つ友に
読んでみることにしました。
「この詩集を待つ友に」と題されたプロローグがあります。
書き出しが好き
その書き出しが、
「もう伝説のようになっている少年のころ…」
というものなんです。(翻訳は高橋健二さんです。)
なんかイイ
20年前、この書き出しに何かを感じて「ヘッセって、なんかイイ」と思ったときの感覚が、いま甦ってきました。
理由はうまく説明できないけど、ぼくはこの冒頭にとっても心奪われたんです。
ヘッセの詩の表現力
せっかくなので、ヘッセの詩の表現力をいくつか取り上げたいと思います。
白い雲
「白い雲」という詩があります。
そこでは、青い空に雲が流れていくようすが歌われています。
でもヘッセは、
「ああ、青い空に雲が流れていく」なんて歌わないんです。
ヘッセの歌い方
ヘッセはこんなふうに歌います。
「白い雲はまた
忘れられた美しい歌の
かすかなメロディーのように
青い空をかなたへ漂っていく」
ずどーん!
ここでまた、ぼくのハートはヘッセのとりこになるんです。
なんか、素敵です。
夜
「夜」という詩があります。
そこでは、寝る前にロウソクを消して部屋を暗くするようすが歌われています。
でもヘッセは、
「ああ、寝る前にロウソクを消したら部屋が暗くなった」とは歌わないんです。
ヘッセの歌い方 その2
ヘッセはこんなふうに歌います。
「私はロウソクを消した。
開いた窓から
夜が流れ込んできて
柔らかく私を抱いた」
じーん。
美しい擬人化。
ぼくこういうの好きなんです。
よくわからないけど好き
文学のことはよくわかりません。
ヘッセという人物についても、ほとんど知りません。
でも、詩集の言葉から伝わってくる感覚は、好きです。
美しい表現がいっぱいで、世界観もどこかはかなくて、言葉選びも繊細。
そういうところが好きなんです。
(訳者の高橋健二さんの力が偉大ですね。)
以上。
ぼくが好きなヘッセ詩集のフレーズ(の、ほんの一部)でした。