おなじ本を読んでも、むかしと今とで感じ方がちがうことって、ありますよね。
ひさしぶりに、この本を読みました。
自分の感じ方の違いに、愕然としました。
ぼくの心の闇は、以前より広がったなぁ…と。
家臣の忠誠心
ある戦国武将は、家臣の忠誠心をためすのに、足袋をプレゼントするんだそうです。
足袋を片方だけあげる
その戦国武将は、家臣を呼び出して…
「寒くなってきたな。足が冷たいだろう」
といって、足袋をわたします。
でも、片方だけなんです。
「もう片方は、どっかいっちゃったから、とりあえず片方だけプレゼントするわ」
って感じで。
それからしばらくして、もう一回家臣を呼び出します。
そして…
「もう片方が見つかったから、あげるよ」
さらに、つづけてこう言います。
「だから、前にプレゼントした片方をここに持って来てごらん。ふふふ」
前にプレゼントした足袋をちゃんと持ってきたらOK。
もしも、なくしていたらダメな家臣。
と、家臣の仕分けをするそうです。
( ̄□ ̄;)!!怖い…
ぼくは今回これを読んで「怖い」と思ったんです。
正確には、怖いというよりも、嫌悪感でしょうか。
以前はそんなふうに感じなかったんです。
以前は、「へ~。そういうやり方もあるのか~」程度でした。
それが今では、嫌悪感をおぼえます。
それは、この戦国武将がわるいのではなく、ぼくの感じ方が変わったんです。
じつはここ数年の上司が、
お客様のアラ探しをして手帳にメモしたり、あげ足をとることで自分の優秀さをアピールしている(つもり)の人間でした。先日ついにお客様にキレられて怒鳴られていました。
それを思い出しました。
あ。この戦国武将がおなじタイプの人間だと言いたいわけじゃありません。違います。そこはくれぐれも。ぼくの感じ方の話です。
言いたいのは、おなじ本でも以前と今とでは感じ方がちがう、ということです。
そして、
以前は感じなかった「影」の部分を、ぼくはものごとに感じるようになった、ということ。
読書は鏡ですね。
自分の心の中の光と影が浮き彫りになるようです。
ひさしぶりに開いた本で、思わぬ発見をしました。
それはそれで、めでたしめでたし。