2月16日放送のNHK『先人たちの底力 知恵泉』では、「最下位からの脱出」と題して、長宗我部元親のことをやっていましたね。
長宗我部元親は、土佐の戦国武将です。
弱かった長宗我部家
長宗我部家は、土佐のなかでも、もっとも弱小でした。
元親の祖父の代には、居城を失ったそうです。
財産もなければ、兵力もない。いつ滅亡してもおかしくない。
そんな長宗我部家が、元親の代になると、なぜか連戦連勝をかさねて大躍進します。
そして…
土佐を統一。
さらに…
まさかの四国統一。このすごさ。
底辺から頂点へ
元親がどんなふうに底辺から四国の頂点に駆け上がったのか。番組では、その秘密が紹介されていました。
元親には武勇や知力があったようで、やっぱりそれが躍進の基本にあるんでしょうけど、そのほかに2つのポイントが挙げられていました。
一領具足
まず一領具足の存在です。
一領具足とは、ふだんは農民で、いくさが始まると兵士として参戦する人たちのことです。
農民が兵士をかねるのは他の国でもよくあることですけど、元親のばあいは破格の待遇をしたといいいます。手柄を立てた農民には、武士とおなじく土地を与えたんです。これで一領具足たちのやる気もアップしたんですね。
敵を滅ぼさない
もう一つのポイントは、敵を滅ぼさないこと。
元親はいくさで勝っても敵を滅ぼさずに、家の存続を認めたといいます。
長宗我部家は弱小だったので、いくさに勝っても、新しい領地を運営できる人材がそうたくさんはいませんでした。そこで、敵を滅ぼさずに、その人材や人脈をつかって領国経営するほうが得策というわけです。
長宗我部家は好き
長宗我部家は好きな家です。ぼくが長宗我部家を知ったのは、たしか「信長の野望」というゲームでだったと思います。
生きるか死ぬかの戦国時代を生き抜いた人物をつかまえて、ゲーム(遊び)で知ったというのは、なんだか申し訳ない気もするのですが、本当のことです。
ゲームの話をもう少しさせてもらうと、長宗我部家は土佐(高知県)が本拠地ですから、周囲に超有名武将のような強敵がいませんし、土地もいわばはじっこのほうなので、守りを固めやすい。
それに四国を統一してしまえば、四国そのものが海上要塞のようになるなど、心をくすぐられる武将なんです。
なんかちょっとイイなぁ
戦国時代に底辺から頂点に駆け上がった人物といえば、やっぱり豊臣秀吉です。
元親が土佐の弱小勢力から四国を統一したのは、秀吉の全国制覇にくらべるとスケールは小さいですが、なんともいえない魅力があります。
土佐の弱小勢力から四国を統一した人物がかつていた、ということに夢を感じます。夢というとおおげさかなぁ。でも、ロマンではないし、希望でもない。なんかちょっとイイなぁ、という感覚なんです。