『機動戦士ガンダムTHE ORIGINの英語』という本を買ってテンションが上がっています。ガンダムの名セリフが英語で読める本です。
シナリオの抜粋
名セリフが単発でポンと載っているページもありますが、そうじゃなくて、前後のセリフがていねいに書き起こされているページもたくさんあります。つまりシナリオの抜粋みたいな作りになっています。
書き起こされたセリフは、すべて英訳されています。一連の流れを全部英語で読めるんです。ガンダム好きとしては嬉しいですよね。
ネイティブの英語
英語も「ネイティブの翻訳家による、ネイティブのための英語」です。
きみは強い女の子
たとえば、ガンダムの第一話。
フラウ・ボウの家族が戦闘に巻き込まれて亡くなってしまいます。
フラウは茫然としますが、はやくシェルターに逃げ込まないと、フラウ自身の命が危ない。
そんなとき、幼なじみのアムロ・レイがフラウを勇気づけるために言ったコトバがこれです。
「きみは強い女の子じゃないかあっ!」
これの英訳がこちら。
I know you are a strong girl!
(「機動戦士ガンダムTHE ORIGIN」の英語からの引用です。)
単に「you are a strong girl!」でも良いような気がしますが、文頭に「I know」をつけることでアムロのやさしさが出ているといいます。
アムロのやさしさ
「you are a strong girl」だと、「きみは強い女の子」という客観的な目線になって、淡々とした印象を与えかねないんだそうです。
文頭に「I know」をつけることで、「きみが強い女の子だってことを、ぼくはちゃんと知ってるんだよ!」となって、勇気づけるニュアンスがあったり、アムロのやさしさが表現されるといいます。
このあたり、ネイティブ翻訳ならではの機微ですね。ふむふむ。
↑こんなふうに、この本では要所要所で翻訳についての解説があります。それがとてもわかりやすくて、勉強になります。
ランバ・ラルの言葉
ランバ・ラルが出撃するときに、こんなセリフがあります。
「アコーズ、コズン、用意はいいか?」
英訳がこちら。
Acous, Cozun, Are we ready !?
(「機動戦士ガンダムTHE ORIGIN」の英語からの引用です。)
ガンダムを理解している翻訳
ふつうなら「Are you ready?」ですが、ここでは「Are we ready ?」となっています。
これはランバ・ラルがグフに乗り込む直前のシーンです。
ランバ・ラルは、アコーズ、コズンに「おまえたちの準備はいいか?」とたずねると同時に、「おれの乗るグフの準備もいいか?」という意味を込めています。
だらか「we(おれたち)の準備はいいかい?」なんです。
ちゃんとシーンを理解していないとできない翻訳ですよね。
ガンダム好きで英語に興味があれば楽しい本
さっきのアムロの「強い女の子じゃないかあっ!」もそうですけど、こんなふうにガンダムの空気を理解しているからこそできる翻訳が嬉しいです。
ギレンの「立て、国民よ」の演説全文も載ってたりしますよ。もちろん日本語と英語、両方で。このこだわり!
ガンダムが好きで、しかも英語に興味がある、でもまじめに勉強するのはちょっとだけしんどい。そんな方にはピッタリの本です。
ガンダム脳だと疲れない
ぼくはこの本でちょっとずつ英語をたのしんでいます。「坊やだからさ」の英訳とか、「自分自身の若さゆえの過ち」の英訳とか、「ジオン公国に栄光あれ」の英訳とか。勉強脳ではなくガンダム脳でできるので、疲れません。