きのうは、おいしそうな本を買いました。『味覚小説名作集』です。
きのう本屋に行くまで、こういう本があることは知りませんでした。
この本を買おうと思ったいきさつは、前の記事に書いたとおりです。
ていねいに読みたい期
まだ読んでいません。心をあたためてくれそうな本なので、万全の体制をととのえてから1ページ目を開きたいんです。
きちんとふとんに入って、きちんとぬくぬくする。仰向けになって、枕をいつもより少し高くして、ふとんから両腕を出す。これがぼくの「万全の体制」です。
そんなふうにていねいに読んでいきたい。
あたらしいお気に入りの本を買った直後は、ときどきこういう「ていねいに読みたい期」な心境になります。今、それです。
めちゃめちゃにしたい期
やがて「めちゃめちゃにしたい期」がおとずれます。
お気に入りの本を読みこんで読み込んで読み込んで、ページがすり減るまで愛読したい欲望が出てきます。
視線のレーザービーム(byひろみ郷)で文字が焦げるくらい読み込みたくなります。
ごく一部の本だけ
すべての本が「ていねいに読みたい期」や「めちゃめちゃにしたい期」を迎えるわけではありません。そういう本はごく一部です。
たいていの本は、ごく普通に読まれて、ごく普通に本棚の定位置につきます。そしてときどき読み返されて、また元の位置に戻ります。それもぼくにとってはしあわせな読書です。手を伸ばせば本がある。すごくしあわせなことです。
ちょうどいい
全部が全部「めちゃめちゃにしたい期」の本だと、ぼくの心が疲れてしまいます。
めちゃめちゃにしたいくらい読み込みたい本があったり、ごく普通に定位置に戻る本があったり。そういう本棚が、ぼくのちょうどいい本棚なんです。
⇒つづき。