ふとんの中でぬくぬくするのが好きです。ぬくぬくしながら本を読むのも好きです。
先日、ぬくぬくしながら『ぼくのいい本こういう本―1998‐2009ブックエッセイ集〈1〉』を読みました。
松浦弥太郎さんのブックエッセイ(書評のようなもの)集です。
松浦弥太郎さんのブックエッセイ
松浦弥太郎さんの書評(のようなもの)は、きっちりかっちりした固い文体ではなく、ブックエッセイの名のとおり、とてもやわらかくて、おだやかな詩のようで、しあわせな日記のようで、すごく読みやすいです。
茶粥の記
その中で『茶粥の記』という本が紹介されていました。
これは、登場人物の一人が実際には食べていないものの美味しさを想像して、じつに美味しそうに感想を語るのが見どころの本です。いや、ほかにも見どころはあるのかも知れませんが、松浦弥太郎さんのブックエッセイで紹介された内容を見る限りはそこに魅力を感じました。
浦弥太郎さんが引用されていたのは次の部分です。
お粥に梅干しを入れるシーンです。
ぐつぐつ煮えはじめた頃合いを見計らって土鍋の真ん中に梅干しを落し、あとをとろ火で気長に煮上げる。粥は梅干しの酸味を吸出し梅干しは程よい味にふっくらと肉づいて、なんともいいようなく旨い
「茶粥の記」より
空想でのべる感想がとても美味しそうで、食欲をそそるんです。それだけじゃなく、読んでいてしあわせな気持ちになるんです。
『茶粥の記』を読んでみたい、と思いました。
読んでみたい
大きめの書店で検索してみると、『茶粥の記』はありませんでした。
そのかわり…
『茶粥の記』をふくめたいくつかの味覚小説があつまった『味覚小説名作集 (光文社文庫)』なるものがありました。
味覚小説というジャンルがあるんですね。この本のオリジナルの表現なのかな。それとも、以前からそういうジャンルが確立されているのでしょうか。(←勉強不足。まぁいいや。きっと知らなくても今後も困らない。うん。)
味覚小説名作集
速攻で買いました。
きのう買ったんですけど、まだ1ページも開いていません。なんというか、軽い気持ちで開きたくないんです。ちゃんと開きたいんです。
ちゃんと落ち着いてふとんでぬくぬくできる環境を整えてから、満を持してページを開きたいんです。楽しみ。
⇒このつづき。