人生で一番痛い一日 謎の痛み止めが登場

あーりーです。

痔の体験談を書いています。

 

ぼくは痔の手術をした日の夜に患部から出血し、前回の記事で書いたように、麻酔が効かないまま肛門を縫われました。

その夜は地獄でした。

病室に戻ってからも激痛

肛門の傷を縫い終えて病室に戻ってからも、激痛はつづきました。

なにもせずじっとしていると痛みでおかしくなりそうでした。

なにかで気を紛らわしたい。

かといって本などとても読めませんし、身体を動かすなど問題外です。

気を紛らわすためにテレビ

気を紛らわすためにせめて!と、すがるような気持ちでテレビをつけて、当時放送していた『驚きもものき20世紀』という番組を見ました。

その日のテーマは「コティングリー妖精事件」でした。

たしか、イギリスの幼い姉妹が妖精のトリック写真をとって大人たちをだました事件です。

コナン・ドイルもだまされた

少女たちのトリック写真があまりにもリアルだったので、当時のイギリスでは「妖精は実在する」と大きな話題になり、信じる派と信じない派で論争が起きました。

シャーロック・ホームズを書いたコナン・ドイルは、妖精を信じる派だったそうです。

写真にうつる妖精の正体は、少女たちが書いた精巧な絵でした。

痛みの中で見た番組です。すごく印象に残っています。

痛くて眠れない

夜中になっても痛みはおさまりませんでした。

どうしようもなくなって、夜勤の看護師さんに激しい痛みを訴えました。

看護師さんが自宅の先生と連絡をとり、痛み止めの特別な注射を打ってくれることになりました。

痛みが一気に消えた

注射は腕に打たれました。筋肉注射というんでしょうか。

痛みはあっという間に消えました。

全身の皮膚のうえに一枚幕をかぶせられたような感覚に襲われて、触覚、聴覚、視覚などが急速に遠のいていきました。

穏やかな夜

すべてはおだやかでした。注射の効果です。

おだやかすぎて、身体の活動が停止してしまいそうでした。

すべては平坦で、無で、呼吸することさえ忘れてしまうような、おだやかな時間でした。

呼吸を忘れる

比喩ではなく、本当にそうなんです。

意識して呼吸をするようにしないと、ついつい呼吸を忘れてしまうんです。

呼吸を忘れてしばらくすると、息苦しくなって「やばいっ!」と気づき、あわてて呼吸する。

それの繰り返しでした。

ひらがながプールで泳いでいた

夢なのか何なのか、わかりませんが…

目の前にひらがながウヨウヨ現れて、プールで水泳のレースを始めました。

アナウンサーが実況中継していました。

今年も「ね」が優勝

「ね」が優勝しました。アナウンサーは「あーっと、今年も『ね』です」と叫びました。

その光景を見ながら、ぼくは「やっぱ今年も『ね』が優勝かぁ」と思ったのを覚えています。

息苦しくて窓際へ

ひらがなの水泳を見おわったあと、ぼくは息ができないような気がして、窓を開けました。

少しでも新鮮な、少しでも濃い空気が欲しかったんです。

 

構造上、窓はあまり開きませんでした。

わずかな隙間から空気を吸い込みました。

 

ベッドに戻ると、また息苦しくなります。

仰向けに寝ると、自分の胸が肺を圧迫しているような気がして苦しいんです。

横向きになると、腕の重みで呼吸ができないような感覚になります。

苦しくなると、また窓際へ行きました。

 

何度かベッドと窓際を往復したあと、いつの間にかベッドで眠っていました。

人生で一番痛かった一日が終わりました。

 

つづきはコチラ⇒ 痔ろうの手術のあと、毎日こんな処置をした

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