『サラダ記念日』は、与謝野晶子以来の革命的歌人といわれた俵万智さんの歌集です。読みやすくて、きゅんとして、大好きです。
人それぞれ自分だけのしあわせの感じ方や心地よさがあります。誰がなんと言おうと、それを信じていいんです。
ぼくの弱さ
それなのにぼくは、誰かが幸せそうだったり、心地よさそうだったりすると、ついつい「自分もそれを感じたい!」と思うことがあります。それだけならまだいいのですが、厄介なのは、せっかくの自分らしい心地よさのほうを信じられなくなることです。
他人とおなじ幸せを欲しがる気持ちの正体
他人が感じている幸せを見て「自分もそれが欲しい!」と思うとき、ぼくの中には3つのケースがあります。
一つは、本当にその幸せに興味があるとき。
二つ目は、じつはその幸せにあまり興味はないけど、うらやましくて求めてしまうとき。
三つ目は、その幸せを感じている人に憧れるあまり少しでも近づきたくて、おなじ幸せを求めるとき。
この3つはきっぱり区別できるものではなく、自分でもその境目がわからなくなります。
誰にでも自分だけのしあわせを味わうチャンスがある
だれでも自分だけのしあわせの感じ方があります。人それぞれにしっくりくるしあわせ感があります。せっかくそれを味わうチャンスを神様からもらっているのに、ちゃんと満喫せずに、あっちを向いたりこっちを向いたり。それってすごくもったいない、と最近は思います。
自分のしあわせ感を信じる
あっちを向いたり、こっちを向いたりして、自分らしいしあわせ感をおろそかにしていると、死ぬときに人生を振り返って「もっと自分のしあわせの感じ方を信じて、ちゃんと味わっておけばよかった」と思うような気がします。
だから、難しいことを考えるのはやめて、ただ自分らしい心地よさを信じて、それを味わっていたい。サラダ記念日はそんなふうに思わせてくれる本です。
⇒サラダ記念日 (河出文庫―BUNGEI Collection)
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