ここはサル2世のいる大坂城。
とつぜん幸村があらわれた。
幸村「サル2世さん♪」
サル2世「幸村さん!」
幸村「山から脱出して来ちゃった」
サル2世「どうしてそんな危険なこと」
幸村「家康と戦うんでしょ?」
サル2世「はい」
幸村「手を貸すよ」
サル2世「でも…」
幸村「おれだけじゃない。友人くんも」
友人「どうも。友人です」
幸村「兵士くんも」
兵士「どうも。兵士です」
幸村「そしてここに来る途中で合流したたくさんの人たちも」
たくさんの人たち「どうも。たくさんの人たちです」
幸村「みんなサル2世さんの味方」
サル2世 o(T^T)o おぉ
幸村「一緒に家康を追い払おう」
サル2世「ありがとう」
そのころ…
家康は大軍団を編成して大坂に向かっていた。
家康「いや~。うちら大軍だね」
部下「20万人くらいいますよ」
家康「こりゃ圧勝だわ」
部下「ただ、ひとつ気になる情報が」
家康「なに」
部下「幸村が大坂方についたようです」
家康「ああ、真田の息子」
部下「いつのまにか高野山を脱出したみたいで」
家康「幸村って強いの?」
家康「う~ん」
部下「よく作戦を練ってかからないと…」
家康「よし、買収しよう」
部下「へ?」
家康「好条件を提示して、こっちに寝返ってもらうんだ」
部下「お~」
家康「丸め込んでしまえば、処断するも飼い殺すも自由だ」
部下「あ、悪いっすねー」
家康「へへへ。じゃ、さっそく電話しよう」
家康は幸村に電話した。
家康「もしもし幸村さん?」
幸村「はい」
家康「敵の家康です」
幸村「な、なんですか」
家康「ここだけの話、寝返りませんか?」
幸村「ここだけじゃ済まないでしょ(汗)」
家康「新車、あげますよ」
幸村「いりません」
家康「豪邸もあげますよ」
幸村「いりません」
家康「じゃあ、町をひとつあげます」
幸村「いりません」
家康「うむむ。じゃあ長野県を丸ごとあげます」
幸村「家康さん」
家康「はい」
幸村「ホントに変化球が好きな方ですね」
家康「は?」
幸村「戦場で会いましょう」
ガチャ。電話は切れた。
1614年、家康は信濃一国(長野県)を与えて幸村を買収しようとしたが、あっさりと断られた。
1614年12月12日。大坂城。
サル2世「それで幸村さん、必勝の策って?」
幸村「もうすぐ徳川軍が天王寺に着陣するよね」
サル2世「はい」
幸村「着陣してから各部隊の配置までに、わずかな隙ができる」
サル2世「おぉ」
幸村「そこを突く」
サル2世「でも、うまくいくかな」
幸村「必ず成功する。なぜなら…」
サル2世「?」
幸村「雨が降る」
サル2世「雨?」
幸村「うん。激しい雨が、敵の目と耳を封じてくれる」
サル2世「雨って、どうしてわかるんですか?」
幸村「山にいた頃、空ばっかり見て過ごしたからね」
サル2世「へぇ~。すごいですね♪」
慎重派「ちょっと待ったー!」
幸村「あぁ、これは慎重派さん」
慎重派「その作戦は却下です」
幸村「え、どうして…」
慎重派「討って出るなんて、危ないです」
幸村「いくさですから…」
慎重派「雨が降らなかったらどうするんですか」
幸村「いや、降りますって…」
慎重派「そんなの当てになりません」
幸村「でも、あの大軍に勝つにはこの作戦しか…」
慎重派「ここは篭城すべきです」
幸村「援軍のあてのない篭城は、いつか破綻しますよ」
慎重派「ウキーッ!」
幸村「(((゚∀゚;)))ウキ?」
慎重派「新参者のクセにうるさ~い」
幸村「そんなこと言われても…」
慎重派「この大坂城では我々が先輩です。従ってもらいましょう」
幸村「……」
幸村の作戦は、慎重派(大野修理)の反対にあい、退けられた。
この瞬間、大坂方の敗北は決まったといっていい。