ひきつづき、真田幸村とサル(豊臣秀吉)の会話。
サル「もっと嬉しいことっていうのはね」
幸村「はい」
サル「子供、生まれたさ」
幸村「おぉ♪」
サル「紹介しよう、サル2世だ。じゃーん。かわいいでしょ」
幸村「ぐにゅぐにゅですね」
サル「生まれたばっかりなんだよ」
幸村「そっか」
サル「ナンバーワンを受け継ぐ子だよ。仲良くしてやってね」
幸村「ていうか、こちらこそ」
1593年、サル(豊臣秀吉)の子供、サル2世が誕生した。
夏。
幸村と友人は、とある神社の芝の上に寝転がっていた。
ミーンミンミンミン…(せみの声)
幸村「セミって、やりたい放題だよね」
友人「?」
幸村「やたらミンミン」
友人「夏だしね」
幸村「夏で一番えらいみたいな感じ」
ミーンミンミンミン…
友人「せみしぐれだね」
幸村「せみしぐれ?」
友人「せみの鳴き声が、雨みたいに降ってくるしょ」
幸村「うん」
友人「それが、せみしぐれ」
幸村「雨…」
友人「そう。青空に降る雨」
ミーンミンミンミン…
幸村「サルさん、うらやましいよね」
友人「?」
幸村「だってナンバーワンだよ」
友人「あぁ」
幸村「おれも何かでナンバーワンになろうかな」
友人「たとえばなに?」
幸村「たとえば…」
友人「たとえば?」
幸村 ( ´ρ`).。oOO
友人「……?」
幸村 ( ´ρ`)スヤスヤ…
数時間後。
友人「幸村」
幸村 ( ´ρ`)スヤスヤ…
友人「幸村」
幸村 ∑(・o・;) はっ
友人「花火、見に行こうか」
幸村「ごめん。寝るとこだった」
友人「花火」
幸村「あ、もう暗いんだね」
友人「ずいぶん寝たね」
幸村「せみは?」
友人「とっくに鳴き止んだよ」
幸村「え、もう?」
友人「あっけないもんだよ」
幸村「明日もまた聞けるかな、せみしぐれ」
友人「たぶんね。でも…」
幸村「?」
友人「せみの命は短いから、すぐに聞けなくなるよ。それより、花火大会」
幸村「うそ? どこ?」
友人「もうすぐあっちで」
幸村「いいね~」
友人「ジュース買って、場所とろう」
幸村「じゃあおれ、打ち上げ花火一発ごとにジュースを一口飲むっていう試練をおのれに課すわ」
友人「試練のわりに嬉しそうだね」
幸村「行こう♪」
友人「うん♪」
そんな平和も束の間。大事件が起きた。