真田幸村のゆる~い伝記を連載しています。
トップページはこちらです。では、前回のつづきです~。
武田家が滅亡した。
真田幸村(さなだゆきむら)と友人の会話のつづき…
幸村「うちのファミリーって武田家臣団のメンバーなんだけどさ」
友人「うん」
幸村「武田家が滅びたってことは、家族そろって失業?」
友人「そうだね」
幸村「やべっ。あたらしい仕事さがさなきゃ」
友人「いや、それより武士的には仕返ししたほうがいいと思うよ」
幸村「仕返し?」
友人「うん」
幸村「誰に?」
友人「武田家を滅ぼした張本人に」
幸村「それ誰さ?」
友人「織田信長」
幸村「え、その人、強そうだね」
友人「なんで?」
幸村「名前がさ、教科書とかに出てきそうでしょ。しかも太字で」
友人「そうかもね」
幸村「どうせおれの名前なんか教科書に出てこないよ」
友人「やればできるよ」
幸村「出てきても『なにこれ、両方名字?』って言われて終わりだよ」
友人「卑屈になるなって…」
幸村「とにかくそんな強そうな人と戦うのは、ちょっと無理」
友人「でも主君の仇を討てば評判が高まって、再就職に有利だよ」
幸村「あ、なるほど」
友人「さぁ、さっそく信長をやっつけに行こう。信長は西にいる」
幸村「ちょっと待って」
友人「なに」
幸村「ふたりだけで信長を倒すの?」
友人「それは無理だよ」
幸村「だよね」
友人「旅の途中で仲間を集めながら行こう」
幸村 ふふ( ̄ー ̄)
友人「?」
幸村 ふふふ( ̄ー ̄)
友人「え。なんでニヤけてるの?」
幸村「いや、こういうのってさ、RPGみたいで楽しいね」
友人「は?」
幸村「なんか、勇者が冒険の旅に出るみたいで」
友人「そうかなぁ」
幸村「勇者がパーティ組んで敵を倒しに行くなんて、ドラクエとかFFっぽいしょ」
友人「まあ、なんでもいいけど」
幸村「じゃあおれ、今から勇者ね」
友人「はいはい」
幸村「さぁ、出発♪」
真田幸村と友人は馬に乗って西へむかった。
幸村「まずはメンバーをあつめないとね」
友人「うん」
幸村「強い人がいいなぁ」
友人「あ、アレ見て」
幸村「どこ?」
友人「ほら、そこ」
幸村「おぉ。強そうな人がいるね。しかも仲間をいっぱい連れてる。メンバーに加えようか」
友人「あれが信長だよ」
幸村「え?」
友人「あれが織田信長」
幸村「……てことは、敵?」
友人「うん」
幸村「やばいしょ。あっちあんな大勢で、こっち2人だよ」
友人「見つからないように逃げよう」
ところが信長が声をかけてきた。
信長「ねぇねぇ、そこの2人」
幸村「ぅわー…(-_-;)」
信長「ちょっと聞きたいんだけど、いい?」
幸村「え、僕っすか?」
信長「今おれね、武田の残党狩りをやってるんだけど…」
幸村「は、はい」
信長「真田ファミリーがどこにいるか知らない?」
幸村 ドキッ!
信長「あいつら、武田の残党の中でも実力派だからさ…」
幸村「……」
信長「今のうちに見つけ出して、ボコボコにしたいんだよね」
幸村「……」
信長「あれ? ちょっと君さ、顔みせて」
幸村「な、なんでしょう(汗)」
信長「もしかして真田ファミリーの一員?」
幸村「え、えーっと…」
信長「もしそうなら今からおもむろに鬼と化すけど」
幸村「ち、ちがいますよ。真田なんて知らないっす」
信長「ホント?」
幸村「むしろ僕は信長さんと友達になりたいな~って。そういう人です」
信長「そうなの?」
幸村「はい」
信長「その場しのぎで適当なこといってる目ぇしてるよ」
幸村 ドキッ!
信長「あやしいなぁ」
幸村「あやしくないっすよ。友達になりましょう。ね。ね」
信長「……まぁ、そんなに言うんなら」
幸村「よかった」
信長「じゃあ、メールアドレスでも交換しとく?」
幸村「いいっすね。僕のメアドは…」
信長「うん」
幸村「全部小文字で、sanada@」
信長「サナダ?」
幸村「あ」
信長「はい、鬼と化しまーす」
幸村、ピーンチ。