まんがで読破 ゲーテ「ファウスト」の感想

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あーりーです。

「まんがで読破」シリーズが好きで、よく読んでいます。

今回はゲーテ『ファウスト』の感想です。

ファウスト (まんがで読破)
ファウスト (まんがで読破)

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神との決別の物語

これは神との決別の物語です。

人間が神と決別し、自分たちの可能性を信じる物語です。

はじまり

どんなふうに物語がはじまるのか、少しだけご紹介します。

こんな感じです↓

主人公のファウストは天才博士

物語の主人公は、ファウスト博士です。

あらゆる学問をきわめ、多くの人から尊敬され、名声を欲しいままにしている人物です。

ファウスト博士には、実在のモデルがいたと言われています。

あらゆる学問を究めたけど、どうしようもなく空しい

人々の尊敬と名声を一身にあつめるファウスト博士は、どうしようもない空しさを覚えます。

どんなに知識を得ても、あらゆる学問を究めても、宇宙の真理には到達できません。

生命の神秘は解明できません。

ファウスト博士は人間の無力を痛感します。

親友もいない、愛する人もいない

ファウスト博士は青春のすべてを学問に費やしました。

あらゆる学問の頂点に立った今、彼は嘆きます。

「気がつけば俺には、心から愛した女性も、親友と呼べる仲間もいなかった。

人を愛する喜びも楽しさも知らず、その悲しみや怒りを語れる友もいない…」

ファウスト博士

ファウスト博士は人生に絶望し、自ら命を絶とうとします。

そのとき…

悪魔メフィストの登場

悪魔メフィストが現れて、ファウスト博士にささやきます。

「その人生、やり直したくはないか?

満ち足りた人生ってやつを、味わわせてやるよ」

悪魔メフィスト

悪魔の契約

悪魔メフィストは、飲めば人生をやり直せるという若返りの液体を取り出し、ファウスト博士に言います。

「博士が満足するその瞬間まで、僕はしもべとなり、どんな命令にも従ってやろう」

悪魔メフィスト

そのかわり…

博士が死んだときでいいので、魂が欲しいと要求します。

人生に絶望していたファウスト博士は、やけくそぎみ(?)に快諾します。

時間よ、とまれ。この瞬間は美しい。

ファウスト博士は、悪魔と契約を結びます。

この俺を満足させてみろ! その最高の瞬間に「美しい時よ止まれ」と俺が口走ったなら、遠慮はいらん、魂をもっていけ!

ファウスト博士

契約成立です。

この契約が『ファウスト』の土台です。

人生に満足しない博士と、博士を満足させようとする悪魔による、魂をかけた契約。

どんな物語がはじまるんだろう!ってワクワクします。

すべて裏目に出て悲劇のどん底へ

若返ったファウスト博士は、悪魔メフィストの協力を得ていろいろな体験をします。

でもなかなか人生に満足できず、かえってすべて裏目に出て悲劇のどん底に叩き落されていきます。

なんだか、ドラえもんの道具を使って結局痛い目をみるのび太くんのようでもあります。

はたしてファウスト博士は人生に満足できるのか。

「時間よ、とまれ」とつぶやくほど満たされる瞬間は訪れるのか。

先が気になって、どんどん読み進めてしまいます。

漫画だとやっぱり読みやすいですね。

感想

神を作ったのは人間です。

人間は、自分たちが作った神の重みに耐えかねて、苦しんでいるように見えることもあります。

神に裁かれることを恐れ、神に救われることをあてにし、神に縛られつづける…

そういうの、もう止めようよ。

と、ゲーテは言っています。

自分を裁いているのは、自分

心に残ったセリフがあります。

「神は人に何も望んでなんかいないし、なにも禁じてもいない」

悪魔メフィスト

「裁くのが人なら、救うのも人だ」

ファウスト博士

人を裁くのは神ではなく人。

自分を裁くのは、神ではなく自分自身。

裁くという言い方は大げさかも知れませんが…

日々の生活のなかで、余計な罪悪感や、強迫観念や、後悔や、焦りや、劣等感や、自己嫌悪を感じたとき、メフィストやファウストのこのセリフがぼくを助けてくれそうな気がします。

自分に余計なダメ出しをして苦しんでしまうことがあります。(ほんのちょっとしたことなんですけど…)

ダメ出しをしているのは、自分自身です。

自分で勝手にルールを作って、自分で勝手に苦しんでいるんです。

自分を裁くのが自分自身であるのと同じように、自分を救えるのも自分自身でしかない。

まんがで読破『ファウスト』を読んで、そんなことを感じました。

ファウスト (まんがで読破)

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よろしければご覧くださいませ~。

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