まんがで読破「カラマーゾフの兄弟」の感想

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
PR

あーりーです。

最近また、まんがで読破シリーズにハマっています。

文学の名作やむずかしい哲学書などを、わかりやすくまんがにしたシリーズです。

元の本を読んだことのなければ興味を持つきっかけになるし、読んだことがあれば「あの本をまんがでキュッと凝縮するとこうなるのか~ふむふむ」と楽しめます。

今回は『カラマーゾフの兄弟』です。

カラマーゾフの兄弟―まんがで読破
カラマーゾフの兄弟―まんがで読破

これは元の本(ドストエフスキーの小説)を読んだことがあるので、「あの本をまんがでキュッと凝縮するとこうなるのか~ふむふむ」のパターンです。

スポンサーリンク

小説はとても長い

もうずっと昔になりますが、岩波文庫の小説を読みました。全4巻のとても長い物語です。

当時、どうしてぼくがこの小説を読もうと思ったかと言うと…

村上春樹さんの『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』という小説を読んでいて、そのラストシーンあたりにカラマーゾフの3兄弟の名前が出てくるんです。

それを読んで、そのうちぼくも『カラマーゾフの兄弟』を一度読んでみよう、って思ったんです。

一冊のまんがに凝縮

とても長い物語をギュッと凝縮して1冊のまんがにしたのが、本書『まんがで読破 カラマーゾフの兄弟』です。

あの長い物語を1冊に凝縮…。

すごい試みですよね。

まんがで読破シリーズを手にするたびにいつも感じるのは、元の本をよほど知り尽くしていないと、こんなに思い切った凝縮はできないんだろうなぁ、という尊敬の念です。

どんな話?

『カラマーゾフの兄弟』は、金と女に目がない成り上がり者フョードルと、3人の息子たちの話です。

3人の息子とは…

遊び好きで気性がはげしい長男ミーチャと、秀才で無神論者の次男イワン、そして純粋で心優しい三男アリョーシャです。

まんがの前半は、父親フョードルと長男ミーチャの対立を軸に物語がすすんで、その周辺でいろんな人のいろんな気持ちが交錯します。

たとえば…

カラマーゾフとは別の親子の話が出てきます。

すごく印象的でした。

父を笑いものにされた少年、イリューシャ

カラマーゾフの長男のミーチャは、ある男に暴力をふるいます。

暴力をふるわれた男には、子どもがいました。

イリューシャという少年です。

イリューシャは父親が乱暴に扱われているのを見て、ミーチャに許しを請うためにすがりつきますが、無下に突き放されてしまいます。

その様子を見ていたイリューシャの級友たちは、イリューシャを笑っていじめるようになります。

イリューシャは、ミーチャを(カラマーゾフの一族を)憎むようになります。

少年イリューシャと三男アリョーシャの出会い

そんなある日。

イリューシャ少年は、カラマーゾフの三男アリョーシャと出会います。

このサイドストーリーがとても印象的です。むしろこちらのほうがメインのストーリーのような気がします。

『カラマーゾフの兄弟』の感動の大部分は、イリューシャ少年の話にあるような気さえします。が、これは好みです。

さまざまな人のさまざまな気持ち

イリューシャ少年の話のほか、カテリーナの話、グルシェンカの話、スメルジャコフの話、ゾシマ長老の話など、いろいろな人々の物語があります。

カラマーゾフの3兄弟を中心に、いろいろな人の気持ちが複雑に交錯しあって、ものすごく立体的に物語が展開していくんです。どのエピソードのだれに思い入れをもつか、心打たれるか、選び放題です。

犯人はだれだ?

まんがの後半は、殺人事件の裁判です。

カラマーゾフの3兄弟の父親、フョードルが何者かに殺されます。

犯人としてまっさきに疑われたのは、乱暴者の長男ミーチャでした。ミーチャは無実を訴えます。本当の犯人はだれなのか。人の心の闇、葛藤、それぞれの想い、信じる心が描かれます。

ミーチャが犯人なのか、それとも違うのか、真犯人は別にいるのかいないのか。それについては、一応ネタバレになるので、ここでは書きません。かなりあっと驚く展開が待っています。

感想

小説を読んだときにはイマイチ把握できなかったような話とか展開も、まんがで読むと「おぉ、そういうことだったのか!」とシンプルに理解できます。

これを読んだ後にもう一度小説を読むと、さらに小説をさらに深く味わえそうな気がしました。

というわけで…

もう一度小説を読んでみた

実際に、小説の一部を読み返してみました。

小説のほうはさすがに深いですね。まんがではいわゆる感動的で綺麗なシーンとして書かれていた部分も、小説で読むとところどころに人の心の醜さが見え隠れします。ただ綺麗なだけじゃないピリ辛な深みがあります。

上で「人の心の醜さ」と書きました。でもこれは、ちょっと言い過ぎかも知れません。

『カラマーゾフの兄弟』を読むと、人の心に醜いも綺麗もなく、ただ人間らしいだけという感じがします。その人間らしさが、ある人にとっては醜く感じたり、ある人にとってはそうではなかったり。

『カラマーゾフの兄弟』とは

『カラマーゾフの兄弟』ってどんな物語かと聞かれれば、

まんがを読んで感じるのは…

人間の心を冷徹に観察する物語。人を信じるはかなさと温かさの物語。それぞれの大切なものをそれぞれが守ろうとする物語。犯人は誰だ?の意外な結末に衝撃を受ける物語。

読み終えた後、一晩寝て起きるごとに新しい感想がわいてくる物語です。

カラマーゾフの兄弟―まんがで読破

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする