司馬遼太郎「項羽と劉邦」の感想

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むかしの中国を舞台にした歴史小説です。

有名な、項羽と劉邦の戦いを描いています。

遊び人が仲間と冒険の旅に出て、自分たちの帝国をつくった実話です。

項羽と劉邦 (上) (新潮文庫)

むかしの中国はいくつかの国に分かれていて、つねに争いが起きていました。

それを歴史上はじめて統一したのが始皇帝です。

始皇帝の登場で中国はひとつの国になりました。

でも彼が死ぬと、また混乱の時代に逆戻りします。

その混乱の時代が、この小説の舞台です。

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遊び人

この小説の一番の魅力は、劉邦(りゅうほう)という人間のふしぎな存在感です。

農民の子どもに生まれた劉邦は、大人になってからも仕事をまじめにせずに、ふざけたりフラフラしたりしていることが多い人でした。

でも妙なかわいげがあって、みんなから慕われていました。

小説を読んでいると「劉邦というこの不思議な人間をもっと観察したい」という気持ちがわいてきて、知らず知らずページが進んでいきます。

漢帝国をつくった男

世の中が混乱すると、劉邦は地元の仲間たちと義勇軍のようなものを結成して一旗あげようとします。劉邦の軍団は各地を転戦するうちにだんだん大きくなって、最後は皇帝になります。劉邦がつくった国が、漢帝国です。

RPG(ロール・プレイング・ゲーム)

劉邦の人生は、壮大なRPG(ロール・プレイング・ゲーム)でした。人さまの人生をゲームにたとえるのも失礼かと思いますが、これは尊敬の念をこめてです。

劉邦は冒険の旅に出た勇者だったんです。

冒険の旅

劉邦は仲間たちとパーティを結成して冒険の旅に出ました。広大な中国大陸をあっちに行ったりこっちに行ったりして戦いながら、経験値をアップさせて、勢力を拡大していきました。

帝国をつくる

ふつうのロールプレイングゲームなら悪いドラゴンか何かを倒しておしまいですが、劉邦のばあいは皇帝になって自分の帝国をつくりました。

農民の子どもが冒険の旅に出て皇帝になるんです。

それが実際にあった「歴史」です。

面白いですよね。

自分でありつづけること

劉邦はライバルの項羽にくらべると、武勇もないし、品格もないし、将軍としての能力も劣る人間でした。それでも最後に勝者となれたのは、自分のできないことは人に任せたからです。

人は一生の中でたった一つのことしかできない。それは自分でありづつけること。そんな感想をもった小説でした。

項羽と劉邦 (上) (新潮文庫)
項羽と劉邦〈中〉 (新潮文庫)
項羽と劉邦〈下〉 (新潮文庫)