「ローマ帝国愚帝物語」 6人の皇帝はこうして破滅した

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ローマ帝国には青空が似合います。歴史のいい部分もイヤな部分も、ぜんぶ飲み込んでしまうような深い青空です。

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どんな本?

やりたい放題やった末に破滅した6人のローマ皇帝の愚行と末路を紹介した本です。

ローマ帝国愚帝物語 (新人物往来社文庫)

この本で紹介されているのは、つぎの6人です。

淫蕩帝カリグラ

はじめは善政を行っていたんですけど、大きな病気にかかって復帰したとたん、変貌します。前代未聞の浪費、乱脈な性遍歴、妹との情交(これは即位の前から)、暴政と処刑。好き勝手やったあげく暗殺されました。暗殺されたローマ皇帝、第一号です。

芸人帝ネロ

ネロといえば、いまや暴君の代名詞です。そんなネロも治世の最初の5年間は、まれに見る善政をおこないました。(黄金の5年間)

でもすぐにローマ帝国史上きっての暴君となります。ぜいたくの限りを尽くし、母親と関係を持ち、あげく母親の命を奪いました。

政務をかえりみず舞台でのパフォーマンスにうつつを抜かしたり、みずから花嫁のヴェールをかぶって解放奴隷の妻となったり、美少年を去勢して嫁に迎えたり。あらゆる形であらゆる欲望を満たします。最後は反乱にあって逃げまどい、命を絶ちました。

冷酷帝ドミティアヌス

冷酷さではネロをもしのぐといわれる皇帝です。

彼は処刑したい人間を決めると、はじめはわざと優しく接して良い気持ちにさせます。それから一転して処刑を命じて絶望させます。それを楽しんでいたというから悪趣味ですね。

剣闘士帝コンモドゥス

公務については「よきにはからえ」と側近に丸投げしていました。

自分は歓楽街を徘徊して、美女をはべらせ、酒を飲み、職責を忘れて快楽におぼれました。高級料理に人糞を混ぜて客にふるまうイタズラもしました。強い存在にあこがれていたようで、みずからをヘラクレス神と名乗っていました。猛獣や剣闘士と戦うのが好きだったそうです。剣闘士もまさか皇帝に勝つわけにはいかないから、いい迷惑だったでしょうね。

残虐帝カラカラ

政敵の弟を罠にかけて権力を独占しました。反対派を粛清し、たくさんの屍を引き回して山積みにしました。恩人であろうと友人であろうと容赦がありません。

誇大妄想の癖があって、みずからをアレクサンドロス大王の生まれ変わりだと信じました。浪費と虐殺をおこなった末に、最期は野外で排便中に刺殺されました。

背徳帝エラガバルス

ウィッグをつけて街角に立って客をとりました。それだけでは飽き足らず、宮殿内に専用の部屋を作って、その入り口に裸で立ち、客を誘ったといいます。

莫大な費用をかけて内陸に海水プールを作らせたり、真夏にもかかわらず宮殿の庭に雪山を作らせたりと、ぜいたく三昧でした。

そんなことばかりしているから、最期は軍隊に愛想を尽かされ、命を奪われて川に投げ込まれました。

ローマ皇帝は世界の頂点

この6人の皇帝を見ている限り、彼らは手に入れた強大な力を「暴力」か「性欲」の満足に使っています。

ローマの皇帝になることは、世界の頂点に君臨することでした。

歴史が仕組んだ残酷な実験

人は、何でも思い通りになる神のような権力を手に入れたとき、どうなるのか?

6人の人生は、その答えを出すために歴史が仕組んだ、残酷な実験でした。ぼくだって、あなただって、同じような状況になれば、どうなるかわかりませんよね。

皇帝であるがゆえに

たしかに「暴力」は困りますが、「性欲」のほうは人に迷惑を掛けない範囲で楽しむぶんには自由ですから、本書に生々しく書かれている皇帝たちの行為の数々も、本人同士の合意があれば何も問題はありません。

皇帝であるがゆえに目立って後世からも責められるのは、ちょっとかわいそうな気がします。

皇帝であることのプラスとマイナス

でも、皇帝だからこそ実現できた内容もあるわけです。そうなると皇帝であることの自由と不自由があります。プラスとマイナスがあります。

ただ青空が広がる

さきほど「プラスとマイナス」と書きました。書いたとたん、そもそもマイナスもプラスもないんだと思いました。

ものごとにはプラスもマイナスもなく「受け止め方の自由」があるだけ。

その自由は、青空がただ頭の上に広がっているような、圧倒的な自由です。それは、プラスもマイナスもぜんぶ飲みこんでしまうような深い青空なんです。

ローマ帝国愚帝物語 (新人物往来社文庫)

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