モルガン財閥のゆるい伝記 第20話 ノーザンセキュリティーズ社

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1902年。ホワイトハウス。

ルーズベルト大統領のようす。

ルーズベルト「さっそく、告発しよう」

政府の人1「告発?」

ルーズベルト「モルガン君を告発するんだよ」

政府の人1「えっ。どうして?」

ルーズベルト「反トラスト法を適用するのさ。当たり前でしょ」

政府の人1「しかし、大統領……」

ルーズベルト「反対なの?」

政府の人1「今のモルガンは少し前のモルガンじゃありません」

ルーズベルト「というと?」

政府の人1「彼は大きくなりすぎました。最近は海運業界にも進出してます」

ルーズベルト「そう、あらゆる市場を独占してる。だから告発する」

政府の人1「今、モルガンが何て呼ばれてるか、知ってます?」

ルーズベルト「?」

政府の人1「ジュピターですよ」

ルーズベルト「ジュピター?」

政府の人1最高神ジュピターです」

ルーズベルト「バカらしい。彼は人間だ」

政府の人1「人類の歴史でもっとも強大な人間です」

ルーズベルト「うん。彼は強くなりすぎた」

政府の人1「はい」

ルーズベルト「彼を倒せるのは、もうアメリカ大統領しかいない」

政府の人1「モルガンは銀行、鉄道、鉄鋼、海運などの業界に君臨する経済界の巨人ですよ。本当にケンカを売るんですか?」

ルーズベルト「もちろん。まずは鉄道業界から切り崩そう」

政府の人1「モルガンの鉄道会社を訴えるんですね?」

ルーズベルト「うん」

アメリカ政府は、モルガンの鉄道独占企業ノーザンセキュリティーズ社を反トラスト法違反で告訴した。

1902年2月19日。

モルガンはこの知らせを夕食の席で聞いた。

秘書「どうしましょう、大ダメージですよ!」

息子モルガン「心配ない」

秘書「え?」

息子モルガン「すでに作戦は考えてある」

秘書「作戦って?」

息子モルガン「『大統領と仲良くなって見逃してもらう作戦』」

秘書「なるほど」

息子モルガン「説明しよう。この作戦は……」

秘書「聞かなくてもわかります」

ホワイトハウス。

息子モルガン「やぁ、大統領」

ルーズベルト「むむ。モルガン君、なにか用?」

息子モルガン「プレゼントを持ってきました。ふたつも」

ルーズベルト「なに?」

息子モルガン「まず、象に踏まれても壊れない筆箱」

ルーズベルト「踏まれる機会はないよ」

息子モルガン「もうひとつ。へぇ~ボタン」

ルーズベルト「口で言うよ」

息子モルガン「今度ご一緒にいかがです? 鬼ごっこでも」

ルーズベルト「鬼ごっこは好きだけど、君とはやらない」

息子モルガン「僕、いい野原、知ってるんですよ」

ルーズベルト「…え、ホント?」

息子モルガン「今、心が揺れましたね?」

ルーズベルト「ぜ、全然(汗)」

息子モルガン「あんな野原は、まずありませんね」

ルーズベルト「そんなにいいの?」

息子モルガン「タンポポが咲いてて…」

ルーズベルト「うん」

息子モルガン「真ん中に丘があって…」

ルーズベルト「あ、いいね」

息子モルガン「丘をうまく使って鬼から逃げ回るのが面白いんです」

ルーズベルト「あー、それ、わかる」

息子モルガン「鬼ごっこ歴は、長いんですか?」

ルーズベルト「子供の頃からやってる」

息子モルガン「じつは僕もです」

ルーズベルト「あの頃が一番しあわせだったかも」

息子モルガン「なつかしいですね」

ルーズベルト「うん」

息子モルガン「さ。打ち解けたところで、本題です」

ルーズベルト「うん」

息子モルガン「告訴を撤回してください」

ルーズベルト「やだ」

息子モルガン !Σ( ̄□ ̄;

ルーズベルト「君はあらゆる市場を独占してる」

息子モルガン「まあ、そうですけど」

ルーズベルト「これでは公正な市場競争ができない」

息子モルガン「すいません」

ルーズベルト「だから告訴する」

息子モルガン「そこを何とか、お願いしますよ」

ルーズベルト「今が君の絶頂期だよ。あとは没落だ」

モルガンは大統領に直訴したが、告訴は撤回されなかった。

1904年。

最高裁判所はノーザンセキュリティーズ社に解散の判決を下した。

モルガン帝国に衝撃が走った。

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