モルガン財閥のゆるい伝記 第19話 USスチールの設立

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20世紀は大規模な企業合併の時代となった。

1901年。モルガン邸。

鉄鋼王「こんにちは~」

息子モルガン「あなたは?」

鉄鋼王鉄鋼王のカーネギーです」

息子モルガン「おぉっ。はじめまして」

鉄鋼王「遊びに来たよ」

息子モルガン「え、遊びに?」

鉄鋼王「うん。おじゃましま~す」

息子モルガン「でも僕たち、初対面ですよね?」

鉄鋼王「気にしない気にしない」

息子モルガン「なんか、あやしいなぁ……」

鉄鋼王「あやしくないよ」

息子モルガン「絶対なんか企んでますよね?」

鉄鋼王「さ、遊ぼう。プレステやろう」

息子モルガン「あやしいから、帰ってくださいよ」

鉄鋼王「プレステやろう、プレステ」

息子モルガン「ファミコンしかありません。帰ってください」

鉄鋼王「ファミコンも大好き」

息子モルガン「本当ですか?」

鉄鋼王「うん。ソフトは、何あるの?」

息子モルガン「『ポパイの英語遊び』」

鉄鋼王「……。やりてぇ~」

息子モルガン「絶対ウソですよね?」

鉄鋼王「ホントだよ」

息子モルガン「どんなゲームか知ってます?」

鉄鋼王「も、もちろん」

息子モルガン「言ってみてください」

鉄鋼王「えーと。ポパイが……英語で……遊ぶゲーム……?」

息子モルガン「お、知ってますね~」

鉄鋼王「でしょ? やろう♪」

息子モルガン「どうぞ、あがってください」

鉄鋼王「うん。……あ、もう時間だ。帰らなきゃ」

息子モルガン「もうですか?」

鉄鋼王「ばいば~い」

息子モルガン「あ、落し物ですよ」

鉄鋼王「ばいば~い」

息子モルガン「ちょっと待ってください」

鉄鋼王「なにさ?」

息子モルガン「なんか、紙が落ちましたよ」

鉄鋼王「落としてないよ。ばいば~い」

息子モルガン「わっ。これ、鉄鋼会社の株じゃないですか!」

鉄鋼王「おれのじゃないよ」

息子モルガン「絶対あなたのポケットから落ちました」

鉄鋼王「君のだよ。君の。はい決まり。ばいば~い」

息子モルガン「あ、ちょっと……」

鉄鋼王は去った。

秘書「どうかしたんですか?」

息子モルガン「あ、秘書くん」

秘書「ん? 何です、その紙」

息子モルガン「えーとね、鉄鋼会社の株みたいだね」

秘書「株!?」

息子モルガン「鉄鋼王さんがくれた」

秘書「まずいですよ」

息子モルガン「どうして?」

秘書「株を受け取ったということは……」

息子モルガン「うん」

秘書「その会社の所有者になったということです」

息子モルガン「お。ラッキー」

秘書「ラッキーじゃないです」

息子モルガン「なぜ?」

秘書「シャーマン反トラスト法を忘れたんですか?」

息子モルガン「あっ!」

秘書「巨大企業はボコボコにされるんですよ!」

息子モルガン「まずい……」

1901年。

モルガンは鉄鋼王カーネギーの会社を支配下におき、USスチールを設立。

USスチールは鉄鋼業界の65%を独占し、米国初の10億ドル企業となった。

鉄道会社「こんにちは。鉄鋼王のカーネギーさん」

鉄鋼王「やぁ。鉄道会社さん」

鉄道会社「どうですか、会社の調子は?」

鉄鋼王「ふふふ。それがね……」

鉄道会社「はい」

鉄鋼王「おれ、会社、捨てたさ」

鉄道会社「はっ?」

鉄鋼王「モルガンにあげちゃった」

鉄道会社「マジ? なんで?」

鉄鋼王「だって今、大企業なんて持ってたらさ……」

鉄道会社「はい」

鉄鋼王「いつ政府にボコられるかわからんしょ」

鉄道会社「たしかに」

鉄鋼王「だから、強引にモルガンに譲っちゃった。えへへ」

鉄道会社「なるほど」

鉄鋼王「君も、気をつけたほうがいいよ」

鉄道会社「僕もモルガンさんに吸収されちゃおうかなぁ」

鉄鋼王「うん。それがいいよ」

鉄道会社「じゃ、吸収されてきます!」

というわけで鉄道業界におけるモルガンの覇権は拡大した。

こうして、鉄道独占企業ノーザンセキュリティーズ社が誕生した。

息子モルガン「どうしよう……」

秘書「みんな、モルガンさんのとこに集まってきますね」

息子モルガン「大企業ボッコボコ法にひっかかってしまう」

秘書「シャーマン反トラスト法です」

息子モルガン「告発されるかな?」

秘書「ぎりぎりです。政府次第ですね」

息子モルガン「でも、よかった」

秘書「どうして?」

息子モルガン「今の大統領は、まだ優しそうでしょ」

秘書「今の大統領って?」

息子モルガン「マッキンリー大統領」

秘書「……」

息子モルガン「これでもしルーズベルト君みたいな人が大統領だったら、一発で告発されるね」

秘書「モルガンさん」

息子モルガン「?」

秘書「マッキンリー大統領は暗殺されました」

息子モルガン「え! いつ?」

秘書「今年(1901年)の9月6日に」

息子モルガン「それで、今は誰が大統領なの?」

秘書「ルーズベルトさんです」

1901年。セオドア・ルーズベルトがアメリカ大統領に就任した。

いよいよ、モルガンとルーズベルトの全面戦争が始まる。

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あーりーと申します。アクセスありがとうございます。布団でぬくぬくしながら本を読んだりスマホでテレビを見たり、のんびり過ごすのが好きです。

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