楠木正成のゆるい伝記 第18話 建武の新政

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西暦1333年6月。鎌倉幕府を倒した後醍醐天皇は京都に入り、新しい政治をはじめた。

これを、建武の新政という。

天皇「えーと、武士の皆さん、こんにちは」

武士「こんにちはー」

天皇「おれ、天皇です」

武士「知ってまーす」

天皇「このたび、おれ、幕府を滅ぼしました」

武士「それも知ってま~す」

天皇「皆さんは今まで幕府にペコペコしてたと思いますが……」

武士「はい」

天皇「これからはおれにペコペコしてください」

武士「わかりました~」

天皇「これからは何でも天皇中心でいきます」

武士「何でも?」

天皇「何でも」

武士「そうは言っても、限度がありますよね?」

天皇「ないです。ホントに何でもおれ中心です。おれの許可がないものは認めないので、よろしく」

武士「土地の所有権とかも?」

天皇「それも、おれの許可が必要」

武士「でも、うちの土地は先祖代々の土地ですから、いまさら天皇さんの許可はいりませんよね」

天皇「いります」

武士「え~!」

武士同士の会話。

武士1「ここ、おまえの土地?」

武士2「そうだよ」

武士1「ちゃんと天皇に許可もらった?」

武士2「いや、もらってないけど」

武士1「まずいって。怒られるって」

武士2「なんでさ?」

武士1「天皇の許可もなしに『ここ、おれの土地』とか言ったらダメなんだよ」

武士2「でもここ、昔からずっとおれの土地だし」

武士1「それでも、ちゃんと天皇に許可もらわないとダメなんだって」

武士2「ホント?」

武士1「うん」

武士2「許可って、どうやったらもらえるの?」

武士1「書類で申請するの」

武士2「めんどくせ~」

ここは天皇の事務所。

天皇「めんどくせ~」

楠木「なしたんすか?」

天皇「仕事、めんどくせ~」

楠木「仕事?」

天皇「全国から、書類バンバン届いてさ」

楠木「なんの書類ですか?」

天皇「『ここは僕の土地ってことでお願いします』っていう申請の書類」

楠木「ほ~」

天皇「それ処理するの、やたら面倒くさいんだよね」

楠木「でもそれ、自分で言い出したことじゃないですか」

天皇「そうなんでけど、もう疲れた」

楠木「あらら」

天皇「どこが誰の土地か、訳わからんくなってきた」

楠木「やばいですね」

天皇「ま、正直に謝ったら武士のみんなも許してくれるしょ」

楠木「無理だと思いますよ」

天皇と武士の会話。

天皇「えーと、武士の皆さん、こんにちは」

武士「こんにちはー」

天皇「皆さんの土地のことですけど……」

武士「はい」

天皇「どこが誰の土地か、訳わからんくなりました」

武士「は?」

天皇「書類、一気に届くから、処理しきれんくて」

武士「おいおいおい……」

天皇「許してね♪」

武士「ブ―――!」

天皇の事務所。

天皇「ぜんぜん許してくれなかった」

楠木「当たり前ですよ」

後醍醐天皇の新政は土地問題でつまずいた。天皇は信用を失った。

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