楠木正成のゆるい伝記 第5話 落城

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楠木正成は自らの城に火をつけた。

炎上する赤坂城の中では…

七郎「自分の城に火ぃつけてどうするのさ!」

楠木「ははは。まあ落ち着きなよ。これね、作戦だから」

七郎「作戦?」

楠木「城が炎上したと見せかける作戦」

七郎「本当に炎上してるけどね」

楠木「そっか、やっべぇ」 おろおろ(汗)

七郎「しっかりしてよ」

楠木「そうだ。この混乱に乗じて逃げよう」

七郎「混乱してるのは兄ちゃんだけだよ。敵は混乱してない」

楠木「七郎」

七郎「はい」

楠木「ソファ動かすから、そっち側、持って」

七郎「は?」

楠木「せーので行くよ。はい、せーの」

七郎「いや、ちょっと待ってよ」

楠木「ん」

七郎「なんでいきなり模様がえさ?」

楠木「『必勝!戦術ハンドブック』にこう書いてある」

七郎「?」

楠木「つねに退路を確保すること、って」

七郎「退路」

楠木「逃げ道のことね」

七郎「で?」

楠木「このソファの下に秘密の抜け穴がある」

七郎「すごいじゃん!」

楠木「でもね、ちょっとやばいのがさ……」

七郎「え?」

楠木「抜け穴の出口が、敵のど真ん中なんだよね」

赤坂城を包囲している幕府軍のようす。

足利「赤坂城が燃えているな」

部下「敵が自分で火をつけたみたいです」

足利「勝てないと悟って自決したわけか」

部下「おそらく」

足利「楠木正成。敵ながらあっぱれ」

部下「うわ」

足利「どうした?」

部下「あそこの井戸、見てください」

足利「井戸?」

部下「変な二人組が出てきます」

足利「本当だ」

部下「あやしいですね」

足利「捕まえろ」

部下「わかりました。おい、そこの二人!」

楠木・七郎 ドキッ

足利「こっちに来い」

楠木「な、なんすか」

足利「何者だ」

楠木「べ、べつに。普通の人っす」

足利「普通の人は井戸から出てこない」

楠木「僕、わりと井戸から出てくるタイプで……」

足利「あやしいな」

楠木「あやしくないっすよ」

足利「とりあえず、逮捕する」

楠木「げっ」

手錠、ガチャン。

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