ここは関東地方。北条父子の会話。
北条家の子「お父さん」
北条家の父「なんだね、息子よ」
北条家の子「秀吉が柴田勝家を倒して関西で覇権をにぎりました」
北条家の父「さすが秀吉。強いな」
北条家の子「ますます倒し甲斐がありますね」
北条家の父「いや、そのことなんだけど」
北条家の子「はい」
北条家の父「何度も言うようだけど、秀吉を敵に回すのはやめたほうがいいって、これマジで」
北条家の子「いえ、お父さんがなんと言おうと僕は秀吉を倒して天下をとってみせます」
北条家の父「世の中はもう秀吉カラー一色なんだから変に波風たてないほうがいいよ」
北条家の子「今さら遅いです」
北条家の父「なんでさ」
北条家の子「お忘れですか?僕は第33話ですでに秀吉に挑戦状を叩きつけちゃってるんですよ」
北条家の父「あ、そうだったね」
北条家の子「今さらあとには引けません。そんなことより…」
北条家の父「?」
北条家の子「あの人、誰ですかね?」
北条家の父「あの人って?」
北条家の子「ほら、あそこに立ってる人。さっきからこっちをチラチラ見てるんですよ」
北条家の父「ホントだ。誰だろう」
北条家の子「しかも髪型、リーゼントだし」
北条家の父「あ、こっちに来る」
リーゼントの男は言った。
家康「はじめまして。徳川家康です」
北条家の父「あ、ああ。東海地方の戦国武将ですよね」
家康「はい。いつもお世話になってます」
北条家の父「家康さんって、そんなリーゼントのキャラでしたっけ?」
家康「いえ、本当はもっと地味路線です」
北条家の父「ですよね」
家康「でもワケあってリーゼントにしました。どうですか?」
北条家の父「え、どうって…」
家康「似合ってます?」
北条家の父「…ええ。まあ」
家康「正直に言ってください」
北条家の父「……えーと」
家康「僕もね、好きでこんな髪型してるわけじゃないんですよ」
北条家の父「なんだか悲しそうですね」
家康「無理やりリーゼントにさせられたんです」
北条家の父「無理やりとはお気の毒に」
家康「誰かにこの気持ちをわかって欲しくて、あなたに話しかけたんです。話を聞いてくれますか?」
北条家の父「はい。聞きましょう」
家康「すべては本能寺の変からはじまりました…」
家康は話しはじめた。