信長と秀吉は、自称将軍をやっつける計画を練った。
秀吉「ガツンとダメージを与えてやりたいんですよね?」
信長「うん」
秀吉「じゃあ、あれっすよ、まくら投げっす」
信長「まくら投げ?」
秀吉「将軍様をまくら投げに誘って、みんなで集中攻撃するんですよ」
信長「まくら投げなんて、断られるよ」
秀吉「断れない雰囲気に持っていけばいいんです」
信長「どうやってさ」
秀吉「将軍様を修学旅行に誘うんです」
信長「は?」
秀吉「修学旅行なら、まくら投げして当然な空気でしょ」
信長「そんな計画でうまくいく?」
秀吉「まかせてください」
信長「でもさ、もう大人なのに修学旅行って、不自然だよね?」
秀吉「あっ。たしかに…」
信長「計画、浅っ!」
そこへ、風呂から上がった自称将軍(足利義昭)がやってきた。
将軍「二人でなに話してたの?」
秀吉「あ、将軍様」
将軍「ねぇ、なんの話?」
秀吉「いや、ちょっと」
将軍「いま、チラッと修学旅行って聞こえたんだけど」
秀吉「はい。まぁ」
将軍「修学旅行気分で旅に出るのも、いいよね」
秀吉 ( ̄ー ̄)ニヤリ
将軍「行きたいなぁ、旅行」
秀吉「行きますか?」
将軍「うん。行こう!」
秀吉「じゃあ、明日、出発ということで」
将軍「おっけ~。あ、そういえばジュースは冷えてる?」
秀吉「むこうに冷えてますよ」
将軍「わーい(^▽^)」
自称将軍はジュースを飲みに行った。
残った信長と秀吉は……
秀吉「やりましたね、信長さん」
信長「やったね、サル」
秀吉「これで将軍様をやっつけれますよ」
信長「うん」
翌日。
自称将軍は秀吉にたずねた。
将軍「で、旅行って、どこに行くのさ」
秀吉「まあ、どこでもいいんですけど。修学旅行といえば、京都ですかね」
信長、秀吉、自称将軍らは、仲間をつれて京都旅行に出発した。
その頃、京都では……
京都の武将1「あんね、噂なんだけどね、俺たちが追放した自称将軍、いるしょ」
京都の武将2「ああ、足利義昭ね」
京都の武将1「あいつ、今日、京都に戻ってくるらしいよ」
京都の武将2「ホント?」
京都の武将1「うん」
京都の武将2「懲りないねぇ。また追い払ってやろう」
京都の武将1「いや、それがね、織田信長と一緒に来るらしいのさ」
京都の武将2「信長!?」
京都の武将1「うん」
京都の武将2「静岡の今川を撃退して、岐阜の斉藤を滅ぼした、あの信長?」
京都の武将1「そう」
京都の武将2「やばいじゃん」
京都の武将1「信長は敵に回したくないよね」
京都の武将2「自称将軍め、強いやつを味方につけたなぁ」
京都の武将1「とにかく、今は自称将軍のご機嫌をとっとこう」
京都の武将2「それには、どうしたらいいかな?」
京都の武将1「そりゃ、彼を正式な将軍にしてあげるのが一番でしょ」
西暦1568年。
自称将軍(足利義昭)は、信長の後ろ盾で、正式に室町幕府15代将軍に就任した。
信長と秀吉は……
信長「ちょっとぉ~、サルぅ~」
秀吉「は、はい」
信長「将軍様をやっつけるどころかさぁ、おれ、うまく利用されちゃったしょ~!」
秀吉「す、すいません……」
信長「もー、将軍様むかつくー」
秀吉「むかつきますね、はい」
信長「むかついたから、おれ、将軍様よりも偉い人になってやる」
秀吉「えっ」
信長「今から、日本の歴史はおれが牛耳る」
秀吉「おぉ~」
信長「サルにもバンバン働いてもらうよ」
このときから日本史は信長を中心に回り始める。
同時に、秀吉は信長の出す無理難題に悩まされることになる。