真田幸村のゆるい伝記 第17話 幸村の変装

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ここはバス停。

幸村と父親はバスを待っていた。

幸村「逃げ切れるかな」

父親「もちろん」

幸村「でもさ、僕たちの人生、これで終わっちゃうのかも…」

父親「そんなことない」

幸村「ほんと?」

父親「終わりはスタートだよ」

幸村「でも…」

父親「お父さんね、ウィンドウズの操作、覚えたよ」

幸村「は」

父親「電源の切り方。第6話で幸村が教えてくれたしょ」

幸村「うん」

父親「あれ、きのう覚えた」

幸村「やっとかい(汗)」

父親「終わるときもスタートボタン。終わりはスタートだよ」

幸村「…うん、そうだね」

父親「バスが来た。幸村、乗りなさい」

幸村「お父さんは?」

父親「お父さんは歩く。おとりになるから、おまえだけでも逃げなさい」

幸村「いや、それは…」

父親「そうだ、変装しなさい」

幸村「変装?」

父親「顔がわからないように、ひげモジャモジャの仙人とか」

幸村「いきなり無理だよ」

父親「お父さんがいつも持ち歩いている『仙人セット』を特別に貸してあげよう」

幸村「そんなものをいつも…」

父親「これが仙人っぽい付け髭だ。つけなさい」

幸村「う、うん」

父親「これが仙人っぽい服だ。着なさい」

幸村「はい」

父親「これが仙人っぽい杖だ。持ちなさい」

幸村「ど、どうも」

父親「おぉ~。完璧な変装だよ」

幸村「そうかな…」

父親「そしてこれがバスの回数券だ。使いなさい」

幸村「ありがとう」

父親「じゃあ、元気で」

幸村「お父さん、大丈夫?」

父親「大丈夫。かならず逃げのびる」

幸村「絶対だよ」

幸村はひとりでバスに乗りこんだ。

バスは西に向かって走り出した。

ここはバスの中。

幸村の携帯が鳴った。

幸村「はい。幸村です」

友人「友人だけど」

幸村「おー。なした」

友人「なしたじゃないよ」

幸村「なにその怒気」

友人「今どこさ」

幸村「バスん中」

友人「バスぅ?」

幸村「うん」

友人「バスん中でケータイ使っちゃダメでしょ」

幸村「今おれしか乗客いないから」

友人「コンビニから戻って来ないから心配したよ」

幸村「あ、ごめん」

友人「で、バスん乗って何やってるのさ」

幸村「家康さんから逃げてるの」

友人「は?」

幸村「おれ、なんだかんだで三成派なんだよね」

友人「え、負け組じゃん」

幸村「そう」

友人「いまは世の中、家康一色だよ」

幸村「だからびびってるのさ」

友人「もし家康派に見つかったら、即ボッコボコだよ」

幸村「一応、変装してるから大丈夫だと思うんだけど」

友人「変装って?」

幸村「仙人」

友人「うける」

幸村「いや、うけるとかじゃなくて」

友人「仙人なのにバスって」

幸村「しょうがないしょや」

友人「バス、いまどのへん走ってるの?」

幸村「えーとね、あ、むかし2人でせみしぐれを聞いた神社のちかく」

友人「安居神社ね」

幸村「うん」

友人「おれも次の次のバス停くらいで、そのバスに乗るわ」

幸村「近くにいるの?」

友人「君をさがして徘徊してたから」

幸村「あぁ、ごめん」

友人「バスで一緒に帰ろう」

幸村「うん」

そして…。

次のバス停で人が乗り込んできた。

しかしそれは友人ではなく、徳川家康だった。

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あーりーと申します。アクセスありがとうございます。布団でぬくぬくしながら本を読んだりスマホでテレビを見たり、のんびり過ごすのが好きです。

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