真田幸村のゆるい伝記 第7話 豊臣秀吉

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ここは新潟県。

真田幸村と友人の会話。

友人「今の電話、なに?」

幸村「あんね、うちのお父さんがさ…」

友人「うん」

幸村「パソコンの電源、切りに来てって言うんだよね」

友人「今?」

幸村「今すぐ」

友人「電話で教えてあげればいいしょ」

幸村「はなし、通じなくて」

友人「戦国大名Uさんの帰りを待って、外出許可もらってからのほうがいいんでないの?」

幸村「いや、だってさ、早く電源切らないとウィルスとか入ったらピンチでしょ」

友人「じゃあ、とりあえずインターネットの線ぬくように電話で言えば?」

幸村「全然ちがう線をぬいてパニックになるよ、きっと」

友人「そうか」

幸村「てことでおれ実家に帰るから、付き合って」

友人「え、おれも?」

幸村「だってさ、もしUさんに見つかって、おれひとりだけ怒られたら困るしょ」

友人「ふたりで怒られても困るよ」

幸村「そこはほら、一心同体ってことで」

友人「都合のいい言葉だなぁ」

幸村「さ、早く行って早く帰ってこよう」

友人「はいはい」

1586年5月、幸村は戦国大名Uの留守中ひそかに実家へと戻った。

一方、そうとは知らない戦国大名Uは、天下人のサルさん(豊臣秀吉)に謁見していた。

戦国大名U「そういえばですね、サルさん」

サル「ん?」

戦国大名U「最近ぼく、人質を手に入れたんですよ」

サル「ホント?」

戦国大名U「真田ファミリーの息子を人質としてキープしてるんです」

サル「人質をとるということは、そのファミリーを支配するということだからね」

戦国大名U「はい」

サル「きみも成長したねぇ」

戦国大名U「そういうサルさんこそ、あっちこっちのファミリーから人質バンバン取ってるんですよね?」

サル「まぁね~。天下人だしさ。ふふふ」

戦国大名U「ぼくもサルさんに負けないように頑張ります」

サル「大事な人質を手放さないようにね」

戦国大名U「はい。あ、もうこんな時間ですね」

サル「なに、もう帰るの?」

戦国大名U「人質のようすも気になるんで」

サル「そっか。じゃ、また」

戦国大名U「さよなら~」

そのころ。

幸村は実家で父親のパソコンの電源を切り終えて…

幸村「さてと、パソコンの電源も切ったし、新潟県に戻るか」

友人「急ごう」

幸村「でもさ、実家をたずねるのにもビクビクしなきゃならないなんて、おかしいよね」

友人「人質だからね」

幸村「じつは『実家には自由に帰っていい』とかっていう規則、あったりして」

友人「まさか」

幸村「だとしたらおれたち、こんなにビクビクして、なんか損した気分だよね」

友人「そういえば、紙もらってるしょ」

幸村「紙?」

友人「人質の規則を書いた紙」

幸村「ああ、もらったね」

幸村はふところから紙を取り出した。

幸村「これこれ」

友人「それになんか書いてあるんじゃないの?」

幸村「読んでみよう」

友人「うん」

幸村「規則1.無断で新潟県を抜け出したら死刑」

友人「……」

幸村「……」

友人「やばいね」

幸村「う、うん(汗)」

友人「ちなみに、つづきは?」

幸村「規則2.ただし、ものすごい勢いで謝ってきたら許す」

友人「おぉ!」

幸村「すぐあやまりに行こう、すぐ」

友人「すぐっていっても、Uさんは今、サルさんのところだよ」

幸村「じゃあサルさんのところに行けばいいしょ」

そこへ幸村の父親があらわれた。

父親「いやー、さっきは電源を切ってくれてありがとう。コーヒー入れたから飲んでいってよ」

幸村「それどころじゃないよ」

父親「おいおい。そんなに慌ててどこに行くのさ?」

幸村「サルさんのところ!」

幸村と友人は飛び出した。

そのころ。

新潟県にもどった戦国大名Uは…

戦国大名U「あれ? 幸村くんたちは?」

その家臣「それが、どっかに行っちゃったみたいで…」

戦国大名U「え。逃げたってこと?」

その家臣「おそらく」

戦国大名U「そんなことは許さんよ。よし、ファミリーの実家に電話してやる!」

戦国大名Uは幸村の父親に電話をかけた。

戦国大名U「もしもし。真田さんのお宅ですか?」

父親「はい」

戦国大名U「戦国大名Uと申します」

父親「これはどうも。幸村がいつもお世話になっています」

戦国大名U「その幸村くんなんですが、どうやら無断で外出したようで」

父親「あぁ」

戦国大名U「規則を守っていただかないと困るんですよね。こっちも集団生活ですし」

父親「幸村なら、ついさっきまでここにいましたよ」

戦国大名U「え? 本当ですか?」

父親「はい」

戦国大名U「それで、今はどこに?」

父親「天下人のサルさんのところへ行くといって、出て行きました」

戦国大名U「サルさんのところへ…」

父親「はい」

戦国大名U「ほほぉ~。そういうことですか」

父親「?」

戦国大名U「あなたがたファミリーは、僕ではなくサルさんに服従するということですね」

父親「いや、べつにそういうわけじゃ…」

戦国大名U「これは侮辱です。怒ります。ぷんぷん」

父親「……」

戦国大名U「ものすごい勢いで謝ってきても許してあげませんからね」

ガチャン! 戦国大名Uは電話を切った。

ここは天下人のサルさんのお城。

幸村「えっ。戦国大名Uさん、もう帰っちゃったんですか?」

サル「うん」

そのとき、幸村のケータイが鳴った。

幸村「はい。もしもし」

父親「おれおれ。お父さん」

幸村「ああ」

父親「今、戦国大名Uさんから電話があって。かなり怒ってたよ」

幸村「大丈夫。ものすごい勢いで謝れば許してくれることになってるから」

父親「いや、それがさ…」

幸村「うん」

父親「『ものすごい勢いで謝ってきても許してあげませんからね』って言ってたよ」

幸村 Σ( ̄□ ̄;

父親「どう? 今のモノマネ、うまい?」

幸村「ショック…」

父親「『ものすごい勢いで謝ってきても許してあげませんからね』 どう? 似てる?」

幸村「今それどころじゃないよ」

父親「とくに『あげませんからね』が似てると思うんだけど。ふふ」

幸村「どうでもいいよ…(-_-;)」

父親「どうして落ち込んでるの?」

幸村「だって、このままだと死刑なんだもん」

父親「新潟県に戻らなければいいしょ」

幸村「え?」

父親「そのままサルさんのところに居座っちゃいな」

幸村「そういうのもありなの?」

父親「戦国大名Uさんよりもサルさんのほうが強いしょ」

幸村「そりゃあ、天下人だからね」

父親「うちもさ、どうせ人質を出すなら、より強いところのほうがいいから」

幸村「そ、そっか」

父親「てことで、幸村は今日からサルさんの人質ね。はい決定♪」

1586年、真田ファミリーは戦国大名Uから乗り換えて、サルさん(豊臣秀吉)に臣従した。

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